7月7日。台風が沖縄に接近し、全国的に雨模様。
七夕ではあるが、星を眺める雰囲気ではない。
もっとも、私の住む都市部の夜空は、天の川を眺めるには明るすぎるのだが。
ふと思い立って、子供の頃に七夕飾りで作った「天の川」をもう一度やってみたくなった。
【作り方】
@折紙(薄い紙なら何でも良い。コピー用紙は厚い)を用意する。
Aいわゆる「屏風折り」にする。
B鋏で左右から互い違いに切り込みを入れる。
切り込みは深いほど良く、間隔は狭いほど良い。
C丁寧に広げ、縦に伸ばして完成。
伸ばす時の気持ち良さ、網目模様のリズム感が、子供の頃はじめて作った時の感激をよみがえらせてくれる。
作ってみると「これ、同じ仕組みで色々出来んかな?」と思いついた。
【作り方】
@折紙を四分の一の四角、さらにその半分の三角形に折る。
A左右から互い違いに切り込みを入れる。
B〜C丁寧に広げてみる。
作る前にはどんな形になるのか見当もつかなかったが、完成してみると、クラゲのような、御幣のような、不思議な立体が出来上がった。
紙を折る
紙を切る
紙を組む
日本には紙を使った造形がたくさん伝えられている。
どれも基本原理は簡単で、技術的には誰にでも習得できるものだ。
紙の造形は本当に面白く、私も色々ハマって楽しんできた。
カテゴリ「紙(カミ)」では、そういうアレコレや参考図書を紹介して行きたい。
七夕の夜に、思いつきで新カテゴリを。
2006年07月07日
2006年07月23日
おりがみ師 河合豊彰
河合豊彰さんの本に出会ったのは十年ほど前。古本屋のワゴンセールだった。
保育社カラーブックスの中の一冊「おりがみ」を何気なく手に取り、表紙を見た瞬間、身体に電流が走った。
そこには赤いおりがみで作られた、見事な般若の面が大写しになっていた。尖った角も出っ張った頬も目も鼻もきちんと作られ、カッと開いた口がもの凄い迫力だった。
なんだ? これが本当におりがみ?
ページを繰って折り方を確かめてみると、鶴の折り方を基本に、鋏は一切入れていないようだ。本の中には様々な伝承おりがみとともに、河合豊彰さんの考案した数々の「創作おりがみ」が紹介されていた。
当時の私は世界の民族仮面に関心があって資料を集めていたのだが、河合さんの「おりがみ」の中に多数のおりがみによる仮面が含まれていたことも、私の注意を引いた原因だった。
その一冊は100円均一だったせいもあり、即買い。
ついでに子供の頃以来の「おりがみセット」も購入して、帰宅後、さっそく「般若」に挑戦してみた。途中で多少手こずりながらもおりあげてみると、表紙写真の作品とは微妙に違った表情のお面が出来上がった。
河合さんご自身も本に書いておられるが、お面はおる人によって様々な表情に出来上がるのが面白い所だそうだ。
私はすっかり感激して、他のお面にも次々に挑戦してみた。そのうち同じ保育社カラーブックスで河合さんの本がたくさん出ていることを知り、私は取り付かれたように本を買い、お面をおりつづけた。
お面をおるには丈夫な和紙が良く、大きな紙でおった方が表情が作りやすいこともわかってきた。和紙はアクリル樹脂で固めると頑丈に仕上がることも覚えた。本に載っているおり方を参考に、少しの工夫で新しいお面が出来上がるのも本当に楽しかった。
以下にその当時私がおった作品の一部を紹介してみよう。
画像一枚目の中央が「般若」の面だ。
今回の記事を書くにあたってAmazonで調べてみると、私のバイブルである般若の面が表紙の「おりがみ」は、入手困難になっているようだが、河合さんの他の著作は今でも多くの人に愛されているようだ。
機会があれば一度手にとって見てほしい。
保育社カラーブックスの中の一冊「おりがみ」を何気なく手に取り、表紙を見た瞬間、身体に電流が走った。
そこには赤いおりがみで作られた、見事な般若の面が大写しになっていた。尖った角も出っ張った頬も目も鼻もきちんと作られ、カッと開いた口がもの凄い迫力だった。
なんだ? これが本当におりがみ?
ページを繰って折り方を確かめてみると、鶴の折り方を基本に、鋏は一切入れていないようだ。本の中には様々な伝承おりがみとともに、河合豊彰さんの考案した数々の「創作おりがみ」が紹介されていた。
当時の私は世界の民族仮面に関心があって資料を集めていたのだが、河合さんの「おりがみ」の中に多数のおりがみによる仮面が含まれていたことも、私の注意を引いた原因だった。
その一冊は100円均一だったせいもあり、即買い。
ついでに子供の頃以来の「おりがみセット」も購入して、帰宅後、さっそく「般若」に挑戦してみた。途中で多少手こずりながらもおりあげてみると、表紙写真の作品とは微妙に違った表情のお面が出来上がった。
河合さんご自身も本に書いておられるが、お面はおる人によって様々な表情に出来上がるのが面白い所だそうだ。
私はすっかり感激して、他のお面にも次々に挑戦してみた。そのうち同じ保育社カラーブックスで河合さんの本がたくさん出ていることを知り、私は取り付かれたように本を買い、お面をおりつづけた。
お面をおるには丈夫な和紙が良く、大きな紙でおった方が表情が作りやすいこともわかってきた。和紙はアクリル樹脂で固めると頑丈に仕上がることも覚えた。本に載っているおり方を参考に、少しの工夫で新しいお面が出来上がるのも本当に楽しかった。
以下にその当時私がおった作品の一部を紹介してみよう。
画像一枚目の中央が「般若」の面だ。
今回の記事を書くにあたってAmazonで調べてみると、私のバイブルである般若の面が表紙の「おりがみ」は、入手困難になっているようだが、河合さんの他の著作は今でも多くの人に愛されているようだ。
機会があれば一度手にとって見てほしい。
2006年07月24日
立体造形としてのおりがみ
河合豊彰さんに影響されておりがみ造形にハマった私は、お面だけでなく他の作品にも手を伸ばした。大型書店を探すとおりがみ関連の書籍は意外に多数あり、それぞれに魅力的なおり方が公開されていた。
結局私はオリジナル作品にまでは進まなかったが、公開されたおり図を元に多少のアレンジを加えた作品はけっこう作った。和紙+アクリル樹脂で立体作品っぽく仕上げるのが私の好みだった。アクリル樹脂を和紙に含ませ、生乾きの時点で角度を加えると、微妙な表情があらわれて面白かった。
大き目の紙に一部鋏を入れると、蟹や海老の足の一本一本まで再現できる。
和紙+アクリル樹脂で顔の表情なども細かく表現でき、狛犬の阿吽の表情も再現できる。
このようなおり図は、伝承のものもあれば、現代おりがみ師の創作もある。どちらにしても「おりがみ」というジャンルの先人の業績は凄いものだ。おり方を参照するだけで、誰にでも立派な造形作品が出来てしまうのだ。
以下に参考図書を紹介しておこう。
●「最新・折り紙のすべて」笠原邦彦(日本文芸社)
画像中の「海老」のおり方を参照。
●「日本のおりがみ事典」山口真(ナツメ社)
画像中の「蟹」のおり方を参照。
●「変わりおりがみ」杉村卓二(保育社カラーブックス)
この本の「いなりのキツネ」を元に、画像中の「狛犬」を制作。
結局私はオリジナル作品にまでは進まなかったが、公開されたおり図を元に多少のアレンジを加えた作品はけっこう作った。和紙+アクリル樹脂で立体作品っぽく仕上げるのが私の好みだった。アクリル樹脂を和紙に含ませ、生乾きの時点で角度を加えると、微妙な表情があらわれて面白かった。
大き目の紙に一部鋏を入れると、蟹や海老の足の一本一本まで再現できる。
和紙+アクリル樹脂で顔の表情なども細かく表現でき、狛犬の阿吽の表情も再現できる。
このようなおり図は、伝承のものもあれば、現代おりがみ師の創作もある。どちらにしても「おりがみ」というジャンルの先人の業績は凄いものだ。おり方を参照するだけで、誰にでも立派な造形作品が出来てしまうのだ。
以下に参考図書を紹介しておこう。
●「最新・折り紙のすべて」笠原邦彦(日本文芸社)
画像中の「海老」のおり方を参照。
●「日本のおりがみ事典」山口真(ナツメ社)
画像中の「蟹」のおり方を参照。
●「変わりおりがみ」杉村卓二(保育社カラーブックス)
この本の「いなりのキツネ」を元に、画像中の「狛犬」を制作。
2006年07月30日
儀礼と信仰のおりがみ
2006年11月04日
切り絵
絵を描くこと、ものを作ること、全般に好きだ。
絵を描く時も、手法は色々と試してみる。
「切り絵」という手法も、面白いのでたまに使う。
「切り絵」の仕組みはきわめてシンプルだ。
紙を刀で切り穴を開ける、ただこれだけだ。
穴を開けずに残った部分が線となり、ベタとなる。
線やベタの部分は全て「つながって」おり、独特の画風が出来上がる。
筆ではなく刃物を使うので、きわめてシャープな表現が可能だ。
黒い紙を使い、色を入れる部分に穴を開けていくのが一般的だが、白やその他の色の紙を切っていく場合もある。
御幣など、民俗儀礼では白い紙を切って飾りに使うので、むしろこちらの方が起源なのかもしれない。
「紙を切り、穴を開ける」という仕組みは、ステンシル版画の技法とも共通しているので、応用範囲は広い。切り絵で作った図案を、ステンシルにしてTシャツプリントなどに使うことも出来る。
今回アップする画像は、道教思想などに伝わる「四神」(玄武・青龍・朱雀・白虎)の図像を、切り絵むきにアレンジし、実際に切り抜いてみたもの。
黒い部分が全部「つながって」いることと、エッジの鋭さに注目です。
絵を描く時も、手法は色々と試してみる。
「切り絵」という手法も、面白いのでたまに使う。
「切り絵」の仕組みはきわめてシンプルだ。
紙を刀で切り穴を開ける、ただこれだけだ。
穴を開けずに残った部分が線となり、ベタとなる。
線やベタの部分は全て「つながって」おり、独特の画風が出来上がる。
筆ではなく刃物を使うので、きわめてシャープな表現が可能だ。
黒い紙を使い、色を入れる部分に穴を開けていくのが一般的だが、白やその他の色の紙を切っていく場合もある。
御幣など、民俗儀礼では白い紙を切って飾りに使うので、むしろこちらの方が起源なのかもしれない。
「紙を切り、穴を開ける」という仕組みは、ステンシル版画の技法とも共通しているので、応用範囲は広い。切り絵で作った図案を、ステンシルにしてTシャツプリントなどに使うことも出来る。
今回アップする画像は、道教思想などに伝わる「四神」(玄武・青龍・朱雀・白虎)の図像を、切り絵むきにアレンジし、実際に切り抜いてみたもの。
黒い部分が全部「つながって」いることと、エッジの鋭さに注目です。