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2015年12月22日

人魚釣り

 夢を見た。

 川べりを歩いている。
 立派な川で、釣り人がたくさんいる。
 久しぶりに釣ってみたくなり、上流へ向けてぶらぶら歩く。
 橋を潜った所に古い生活雑貨店がある。
 安いパンでも買って釣り餌にしようと店に入る。

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 薄暗い店内を見回すと、ビニール袋に入った食パンが並べてある。
 一番安いのを買おうとするが、値札を見るとどれも異様に高く、八百円とか千二百円とか書いてある。
 貧乏臭い生活雑貨店のくせに生意気な。
 一番安いのでも六百円だった。
 腹を立てながら手に取ってみると、ずっしり重い。
 なるほど、中身が詰まっているので上等と言うわけか。
 しかし、非常に不味そうである。
 おれはますます生活雑貨店を見くびる。
 仕方がないので六百円のパンを買う。
 これが上等だとは納得していないという意思表示に、非常にいやいや店員に金を渡し、お釣りをもらう。

 ともかく、これでやっと釣りができることに嬉しくなり、更に上流に向かう。
 たしかいいポイントがあったはずなのだ。
 前に一度来たことのある民宿を見つける。
 勝手知ったるおれは、黙って入ってトイレに直行する。
 便器わきに置いてあった釣竿をとり、、上等のパンを少し千切って丸めて、針先につける。
 仕掛けを水洗便器に放り込んで、一気に水を流す。
 小型リールの糸をどんどん繰り出す。
 このトイレは、排水溝を通じて川と繋がっているのだ。

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 しばらく待つと、あたりがくる。
 リールを巻き上げると、水洗便器の奥からピチピチ魚が出てきた。
 魚を針から外し、再び上等のパンをつけてトイレに流す。
 しばらくするとまた釣れる。
 調子よく何匹か釣ったが、こんなんじゃないと思って、釣った魚を全部便器に流してしまった。
 魚たちは排水溝を通じて川へかえって行ったことだろう。

 おれは民宿を出て今度は下流の方に引き返す。
 だんだん川幅は広がり、河原も広大になってくる。
 たしかこの辺りには、人魚が出るという噂があった。
 川面を眺めると、何か大きな尾鰭が跳ね、一メートルくらいある魚のようなものが、ふらふらと泳いでくる。
 かなり弱っているようだ。
 人魚を捕まえるチャンスだと思い、水の中にザブザブ駆け込む。
 それに近づくが、プカプカ浮いているだけで動こうとしない。
 おれは襲いかかって抱きつく。
 鰓に手をかけて持ち上げてみると、何か気味の悪い顔をした鯉のような巨大魚だった。
 これが人魚か。

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posted by 九郎 at 00:16| Comment(3) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2015年12月23日

逆両替

 夢を見た。

 一円玉や五円玉がやたらに溜まってしまい、使うに使えない。
 こういう場合、逆両替が便利だ。
 あまり知られていないが、駅前のビールの自動販売機では、逆両替ができる。
 コイン投入口の下あたりに、何の説明もない小さなスリットがある。
 そこに不用の一円玉や五円玉を投入していくと、金額に応じて十円玉以上の有用な硬貨が返ってくるのだ。
 一円玉の代わりに、細切れになったポテトチップでも良いことになっている。

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 持っているだけの一円玉や五円玉、それに普段から溜めておいたポテチ屑を、スリットにどんどん投入する。
 スリットのふちにポテチの油かすが付着してきて、だんだん投入しにくくなってくる。
 あまり人に知られてはいけないので、心ばかり焦ってなかなか逆両替が進まない。
posted by 九郎 at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2015年12月24日

秘密販売

 夢を見た。

 通信や電気に関わる技術は、一般に機密要素が多い。
 だから専門技師は、業務に使用する特別な工具類を、秘密裏に入手しなければならない義務を負う。
 専門技師はまず秘密通信に指定された電柱や植栽に上り、指示書を入手する。
 指示書には次に向かうべき電柱や植栽の場所が、暗号で記されている。
 専門技師は暗号を解き、次の場所に向かう。
 そこでまた暗号指示書を入手する。
 このような探索を何度も繰り返さなければならない。
 尾行を撒くためである。
 そのようにしてやっと専門技師は、業務に必要不可欠の工具類を手に入れることができるのだ。
 だから普段から気をつけて電柱などを観察していると、時おり電柱の上で何かを読んでいる作業員を発見することができるはずだ。

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posted by 九郎 at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2015年12月25日

楽勝ゲーム

 夢を見た。

 ゲームセンターである。
 ゲーム機のスリットに硬貨を入れる。
 戻ってくる。
 もう一度入れる。
 戻ってくる。
 どうなっているのかと立腹しながら、もう一度硬貨を入れる。
 二枚になって戻ってくる。
 もう一度入れる。
 更に倍。
 壊れているのだ。
 店のおばちゃんが徘徊しているので、ばれないように金を増やし続ける。
 ポケットは硬貨でザクザクになる。

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 余裕の気持ちでゲームを始める。
 金ならいくらでもあるし、なくなったらまた集めればいい。
 シューティングゲームは得意だ。
 バババババババと撃ちまくる。
 今日は調子がいい。
 バババババババと撃ちまくる。

 少しピンチになった。
 敵機の攻撃が蟻のように取り囲み、じわじわ包囲を縮めてくる。
 このままではやられてしまうので、画面の中に指を突っ込み、自分の機体をつまみあげる。

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 これなら当たらないので安心だ。
 敵の攻撃をやり過ごし、画面の中に自分の機体を戻す。
 バババババババと撃ちまくる。
 またピンチになる。
 つまみあげてやり過ごす。
 機体を戻す。
 繰り返しているうちに面倒になってきて、つまみあげたままバババババババと撃ちまくる。
 絶対安全の大量虐殺である。
 今日は調子がいい。
 楽勝だ。
 全て。
posted by 九郎 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2015年12月26日

UFO

 夢を見た。

 中学生の中でおれだけ大人なのだが、なんとかバレずに潜入している。
 これからも決して見破られないように、隠密行動をとらねばならない。
 一見中学生でも中身は大人なので、機密保持もお手の物だ。
 中学生当時果たせなかった無念の作戦を、今何としても遂行するのだ。

 授業の終りのチャイムとともに、おれは階段を駆け上がる。
 最上階に重要な秘密が隠されているはずだ。
 しばらくすると昼礼のサイレンが鳴る。
 全校生徒は即刻、前庭に集合、整列しなければならない。
 少しでも遅れると、体育教師に殴られたりする厳しい学校なのだ。
 しかし大人のおれには何ほどのこともない。
 生徒や教師が校舎から出払った今こそ、絶好のチャンスなのだ。
 階段を駆け上った果ては、校舎外側に張り付いた非常階段につながる。
 更に上ると、校舎の隙間に非常階段は入り込み、中空の頼りない梯子のような状態を進まなければならなくなる。
 最後の最後には、下からはちょうど死角になる校舎の壁に位置する、底の抜けた箱のようなコンクリート付属物に到着する。
 おれは忍者のように手足を突っ張りながらコンクリートボックス内部に入り、下界の様子をうかがう。
 そこからは、校舎の裏手にある広い池を、一望の元に見渡すことができる。

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 しばらく見ていると、茶色に淀んだ水面を、何かが小石で水を切るように跳ねている。
 よくよく見ると、手の部分がトビウオのようになった小さな亀だった。
 一匹しかいないようだが、水面を自由自在に跳ねまわっている。
 このような珍しい生物を捕まえなければ一生後悔するに違いない。

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 おれは思い切ってコンクリートボックスから飛び降りる。
 ふわりと落下の快感があった後、おれは水しぶきをあげて池に突っ込む。
 池はさほど深くなく、膝あたりまでしかなかった。
 跳び亀はどこに行ったのかと見まわしたが、水音に驚いたのか姿が見えない。
 仕方がないので池を出て、薄暗くなった山道を奥へと向かう。
 木々の間を何か光るものが飛び回っている。
 よく見ると直径二十センチくらいのUFOだった。
 今度こそ捕まえようと、UFOを追って更に山奥へと進む。
 途中、なんだか両手がむずむずするのでUFOの灯りに照らしてみると、デカい蝉のような嫌な虫が、何匹も何匹もおれの指先に管を突っ込んで中身を吸っていた。

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 おれはゾッとして、そいつらを一匹ずつ引きむしり、地面に叩きつけて踏みにじる。
 しかし、指先に差し込まれた管だけは、抜けずにそのまま残っていつまでもズキズキ痛んだ。
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする