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2007年03月21日

ハナガフル

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 今日は春分の日、春のお彼岸の中日だ。
 お彼岸が来るたびに、ある海辺の情景を思い出す。

 和歌山県和歌浦にある雑賀崎という場所に「ハナガフル」という不思議な現象があるという。
 春と秋のお彼岸の頃、日没時に高台に登ると、沈む太陽から様々な色の光の玉が降ってくることがあるのだそうだ。伝説の類ではなく、地元ではたまに目撃されている自然現象らしい。

 秋のお彼岸の時期に、現地に足を運んでみたことがある。
 和歌浦の静かな観光エリアを抜け、雑賀崎へ。
 入り組んだ小さな湾には漁港があり、高台に登る斜面には民家がひしめくように密集している。
 うっかりすると他所様の居間に入り込んでしまいそうな路地の連続、くれぐれも地元の人に失礼の無いように、そっと通りすぎる。
 海に臨む斜面の静かな静かな集落、聞き耳を立てているわけではないけれども、おばあちゃんたちの世間話が聞こえてくる。
「今日はハナガフルで、はよう登って見てきたらええ
 赤やら紫やらの光がぐーるぐーるまわってな
 飛んで来よるんやで
 はよう登って見てきたらええわ……」
 
 少々耳が遠い者同士の会話は自然とボリュームが上がり、何度も同じ言葉が繰り返される。近所中に「ハナフリ」の告知が響いている……

 案の定と言うか、結局そのときは「ハナフリ」の現象を見ることが出来なかったのだが、真西の水平線に沈むお彼岸の素晴らしい夕日は見た。
 実は私は、斜面の集落でおばあちゃんたちの世間話を聞けた時点で、ほとんど満足してしまっていたのだけれども。


 和歌浦については、他にも様々にカタリたいことがある。
 追々このカテゴリ「和歌浦」で紹介して行きたいと思う。
posted by 九郎 at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 和歌浦 | 更新情報をチェックする

2007年04月15日

和歌浦の英雄

 去る4月1日の午前、南海和歌山市駅前に法螺貝が響き渡った。鎧武者が多数集結し、白地に黒々と染め上げた「ヤタガラス」の幟が翻った。
 戦国時代の和歌山市一帯を「雑賀庄」と呼んだ。ここを拠点に戦国最強の鉄砲部隊を率いて活躍した地侍の大将が、雑賀孫市(さいか まごいち)だ。
 この日、地元の英雄をアピールする「孫市まつり」が開催された。今年で第三回目と言うことで、私は初めて見に行った。

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posted by 九郎 at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 和歌浦 | 更新情報をチェックする

2007年04月23日

八咫烏の末裔

 雑賀孫市が描かれた作品と言えば、代表的なのは司馬遼太郎「尻啖え孫市」になるだろう。



 戦国最強の鉄砲部隊「雑賀衆」を率い、自身も天下無双の鉄砲名人。自由と孤独を愛しながらも、人間が好きで惚れっぽい好色家。「傾き者(かぶきもの)」に通じる奇抜な衣装に身を包み、困難な戦ほどやりがいを感じ、嬉々として買って出る。
 この小説に描かれる雑賀孫市の姿は、限りなく魅力的だ。私の年代に通じる喩えで言えば、「北斗の拳」に登場する「雲のジュウザ」や、「花の慶次」の前田慶次にも似たキャラクターだ。(むしろ小説の孫市の方が後発のキャラクターに影響を与えているのだろう)
 
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posted by 九郎 at 19:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 和歌浦 | 更新情報をチェックする

2008年04月30日

八咫烏の紋

 このカテゴリ和歌浦の前回記事八咫烏の末裔では、雑賀孫市のことについて紹介した。
 孫市が家紋にしていたのが先祖である三本足の烏・八咫烏(やたがらす)で、この神話上の鳥については金烏玉兎とも関連し、語りだすと無限に話は広がる。
 今回は個人的に思い入れのあるこの烏を、切り絵の手法で独自に紋章にしてみた。

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 在りし日の雑賀孫市の戦装束がどんなものであったか、資料は残っていないが、「雑賀鉢」と呼ばれる兜に金烏の前立てを付け、烏天狗風の面あてを装着すれば、下図のような姿になるかもしれない。

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 さらに「愛山護法」の鉄砲を担げば、愛すべき戦国ヒーローの姿が浮かび上がってくるが、これはあくまで空想、空想。
posted by 九郎 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 和歌浦 | 更新情報をチェックする

2008年05月30日

和歌浦の神話

 出口王仁三郎著「霊界物語」に、和歌浦に関する伝説が記述されている。王仁三郎の著作の内容には純粋に霊感に基づいたものもあるが、何らかの出典に基づいたものも多い。
 以下に紹介する伝説が、霊感由来のものなのか、何らかの伝承によるものなのかは未確認だが、非常に面白いイメージだ。

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posted by 九郎 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 和歌浦 | 更新情報をチェックする