2014年04月04日

遺跡公園のまったりした時間

 昔からなんとなく、古代好きである。
 このブログで多く扱っている神仏ネタほどのマニアックな関心ではないが、日本の縄文、弥生、古墳時代あたりや、記紀神話の背景になった歴史には、人並みから少々はみ出る程度には興味を持っている。
 とくに縄文には岡本太郎への傾倒もあって関心が強く、以前は自己流で縄文土器を焼いたりもしていた。
 ちょうどこの時期、花見がてらに炭火で食べ物を焼きながら、ついでにのんびり土器も焼いていたのだ。
 数年前に今の住居に越してきてから焚き火をするのが難しくなり、最近はあまり焼けていないのだが、これまでの作品はカテゴリ縄文にまとめてある。

 自分のこうした趣味嗜好をさかのぼってみると、小学生の頃の元風景に行き着くのではないかと思う。
 実家の近所にけっこう大きな弥生遺跡があり、ちょうど私が小学生になる少し前に発掘や公園整備が進んでいた。
 竪穴式住居が再現されたその遺跡公園には、学校からもよく遠足に出かけ、郷土の歴史解説の授業が度々あった。
 私が三年生のとき担任だった年配の女の先生は、その遺跡がまだ田んぼだった頃のことから知っていた。
 遺跡として発掘される以前から、農作業をしていると土器の欠片がよく出てくるので地元の話題になっていたことなど、懐かしげに紹介してくれた。
 一応校区外だったので、子供だけで大っぴらに遊びには行けなかったのだが、遺跡の近くにブラックバスがよく釣れるため池があったので、高学年の子供たちはよく遠征していた。

 私は中高生になってからもたまに一人でぶらりと遊びにいっていた。
 普段はあまり人気がなく静かだったので、好きな本を持ち込んで、寝転がりながら読みふけったりしていた。
 当時はまだ再現された竪穴式住居の中にも自由に立ち入れたので、暑い時期にはひんやりした住居の中で涼んだりしていた。
 そのうち小さな資料館が整備され、小さいながら自習室もできた。
 それでも相変わらず人気はなかったので、私は込み合う図書館の自習室は避けて、よくこちらを使っていた。
 それはなんとも言えずまったりした時間で、当時から孤独癖のあった私にとっては貴重な一時だった。
 今でも私は、与えられた環境の中で一人で静かに本が読める場所と時間を確保することを、他のレジャーより優先しているところがある。

 最近は遺跡公園の隣接地にけっこう大きな考古学の施設ができたそうで、昔よりは賑わっていることと思う。
 まあ、せっかく立派な遺跡なのだから、現状の方が「正解」なのだろうけれども、私の記憶の中の風情とはちょっと違ってしまっているだろう。

 考古学の施設には、ぜひ一回行ってみたいとおもっている。

jm-13.jpg


 kindleで試しにお絵描きを一枚。
 無料アプリの使い勝手を探り探り。
 軽くスケッチぐらいには使えそうだ。
 やっぱりタッチペンは欲しいかな……
 kindle上で絵を描き、リサイズし、アップロードする手順は一応マスター。
posted by 九郎 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 縄文 | 更新情報をチェックする

2019年12月15日

高室弓生「縄文物語」

 Twitterをやっていると様々なつながりができて楽しいのだが、思わぬところで「作者さん」とつながってドキリとすることも(笑)
 先月ご紹介いただいた縄文テーマのマンガが素晴らしく面白かったので、ブログ記事にまとめてみる。
 私がけっこう縄文好きで、土器づくりにハマっていたこともあることは、カテゴリ縄文を見ていただければわかるはずである。

 
●「縄文物語 わのきなとあぐね」高室弓生

 精緻に考証された上で構築された仮想の縄文世界の、淡々とした日常。
 その時代のなんの変哲もない風景が、ものの考え方が全く異なる(しかし通じてもいる)現代人にとってみれば、刺激的なファンタジーに映る感覚が素晴らしい。

 歴史モノを含め、舞台が現代ではない「異世界」の場合、作劇は大きく分けて二つ。
「異なる世界でも変わらぬ人間の有り様を描く」
 または、
「異なる世界の人間の感じ方や行動の、異なりぶりを詳述」
 これらは表裏一体でもあるのだが、どちらに力点を置くかで語り口は全く変わる。
 本書「縄文物語」は後者であろうか。
 一般に読みやすいのは前者で、マンガでは「異世界に仮託した青春物語」が多く制作されている。
 私の好きな「センゴク」シリーズは、連載開始当初は完全に「青春物語」を志向していたが、その後じわじわ「戦国時代の現代との異なりぶりを詳述する」方向へシフトしていった。

 私はもうスレたおっさんで、かなりの分量の「物語」を読んできた。
 その結果「異世界に仮託した青春物語」は飽食してしまっている気味がある。
 なので「異世界」自体を丁寧に描いた作品の方に惹かれる傾向があり、からこそ「縄文物語」にハマるのだ。


 メインの「縄文物語」の他にも、「JYOUMONICA」「巌の森」「NINSOKU」を収録、多層的に縄文ワールドが楽しめる。

●「JYOUMONICA 縄文的生活ノススメ」
 野草や採集食、火のおこし方、縄文土器作り等を紹介。
 こういうのを読むと、以前やっていた土器作りが再燃しそうになる(笑)

●「NINSOKU」
 あとがきエッセイ的短編。
 作者の高校生の頃の遺跡発掘体験談。
 
 私が学生時代を過ごしたのも遺跡が多い地域で、バブル期には開発の前段階の発掘が多く行われていたそうだ。
 私自身はその少し後の学生だったので、発掘のピークは過ぎていたが、先輩方に「武勇伝」をよく聞かされた。
 都市部のバブル開発に伴う遺跡発掘はかなり乱暴な突貫工事が横行していたらしく、通常はヘラで慎重に削る所を、クワやツルハシで掘り返させられたとか。
 打ち込んだツルハシの先に銅器が刺さって出てきたとか。
 私の頃はバブル直後で、そこまでの蛮行はなかったはずだが、ちゃんとした遺跡発掘バイト、やってみたかった気がする。


 今年お勧めの一冊です!
posted by 九郎 at 11:14| Comment(0) | 縄文 | 更新情報をチェックする