先日の台風により、紀伊半島南部の「熊野」全域で甚大な被害が出たようだ。
大好きだった熊野本宮旧社地「大斎原」は冠水。
那智大社は社殿が土砂に埋まり、滝の一部が崩落。
新宮市は全域で冠水被害。
熊野三山が軒並み被害を受けている。
天災は起こるときには起きるので仕方がないのだが、人災が天災の被害を拡大することはあるので、そこは注意しなければならない。
私は天災を安易に神仏の意思と結び付けるのは嫌いなのだが、昔熊野本宮の社殿をおし流した明治の大水害のように、山の木を切り倒し過ぎたことが原因とされている場合もある。
そこに「神意」を感ずるのは、あり得ることだと思っている。
今回の水害についても、続報を注意深く聴いていきたい。
90年代初頭から何度も足を運んだ風景の、無残に崩れ落ちた映像がTVから流れてくる。
ここ数年出かけられていないのだが、私はかつて8月から9月にかけて、よく熊野の山野を遍路していた。
まだ現在進行形で不安な生活を送っている現地の皆さんが、なるべく早く落ち着いた生活に戻られますように。
そして自然と人が創り上げた信仰の空間が、また蘇りますように。
以前描いた那智の瀧をモチーフにした一枚。
2011年09月08日
2011年09月12日
海辺の月
熊野に毎年行っていた頃、旅の終わりには新宮や那智の海辺でよくゴロ寝していた。
さんざん山をほっつき歩いた後なので、足は半分壊れ、疲労は溜まりきっている。
夕方、温泉にゆっくりつかり、天気が良ければ海岸沿いの適当な場所で寝転がって、波音に包まれながら時間を過ごした。
何年前だったか、那智の海に寝転がった時には、空に素晴らしく綺麗な月が浮かんでいた。
あたりに人影は無く、まるで私一人だけのためにお月さまがあるような気がして、夢見心地のまま寝入ったり覚めたりを繰り返す贅沢な一夜を過ごした。
あの海岸も、今は少なからず台風の被害を受けているのではないだろうか。
今夜の中秋の名月を眺めながら、遠い彼の地に思いをはせている。
当ブログではとりわけ「月」の記事は大切にしており、いままでにも様々なお話を書きつづってきた。以下にご紹介。
お月さまのおしっこ
月影
つ、つ、つきよだ
月のウサギ
蝕
太陽と月を喰う悪魔
月を喰う悪魔のロゴ画像動画
月のモノガタリあれこれ
接近
深夜の航路
中秋の名月2009
天の乗物 太陽と月
中秋の名月2010
蝕3
さんざん山をほっつき歩いた後なので、足は半分壊れ、疲労は溜まりきっている。
夕方、温泉にゆっくりつかり、天気が良ければ海岸沿いの適当な場所で寝転がって、波音に包まれながら時間を過ごした。
何年前だったか、那智の海に寝転がった時には、空に素晴らしく綺麗な月が浮かんでいた。
あたりに人影は無く、まるで私一人だけのためにお月さまがあるような気がして、夢見心地のまま寝入ったり覚めたりを繰り返す贅沢な一夜を過ごした。
あの海岸も、今は少なからず台風の被害を受けているのではないだろうか。
今夜の中秋の名月を眺めながら、遠い彼の地に思いをはせている。
当ブログではとりわけ「月」の記事は大切にしており、いままでにも様々なお話を書きつづってきた。以下にご紹介。
お月さまのおしっこ
月影
つ、つ、つきよだ
月のウサギ
蝕
太陽と月を喰う悪魔
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月のモノガタリあれこれ
接近
深夜の航路
中秋の名月2009
天の乗物 太陽と月
中秋の名月2010
蝕3
2012年04月13日
熊野へ行って復興を!
しばらく前のニュースで、十津川古道「道普請」という企画があったことを知った。
奈良県南部の十津川村で、昨年の台風被害のあった古道を清掃使用という企画。
お弁当と温泉券尽き。
三月分で募集は終了しているようだが、もっと早く知っていれば、参加してみたかった気がする。
十津川村と玉置山は、熊野周辺の中でも私がとくに好きな場所の一つで、今までにたぶん十回以上は登っている。
玉置神社参詣道の神気溢れる風景は、一度体験すると忘れられない。
昨年、台風による大水害が南紀地方を襲った。
地元の被災者の皆さんの苦境はまだ続いていることと思うが、交通機関などの復旧は進んでおり、余所から観光に訪れることに不都合はなくなってきているようだ。
これからのGWや夏休み、お出かけの選択肢に熊野を加えてみませんか?
南紀の水害に関しては、余所から出来る最善の支援は、観光に出かけること。
自然も文化も食べ物も、素晴らしいところです!
奈良県南部の十津川村で、昨年の台風被害のあった古道を清掃使用という企画。
お弁当と温泉券尽き。
三月分で募集は終了しているようだが、もっと早く知っていれば、参加してみたかった気がする。
十津川村と玉置山は、熊野周辺の中でも私がとくに好きな場所の一つで、今までにたぶん十回以上は登っている。
玉置神社参詣道の神気溢れる風景は、一度体験すると忘れられない。
昨年、台風による大水害が南紀地方を襲った。
地元の被災者の皆さんの苦境はまだ続いていることと思うが、交通機関などの復旧は進んでおり、余所から観光に訪れることに不都合はなくなってきているようだ。
これからのGWや夏休み、お出かけの選択肢に熊野を加えてみませんか?
南紀の水害に関しては、余所から出来る最善の支援は、観光に出かけること。
自然も文化も食べ物も、素晴らしいところです!
2012年08月14日
補陀落
そろそろお盆だ。
以前私は、夏には毎年のように熊野を遍路していた時期があった。
ここ数年行けていないのだが、その時期の名残で、今でもお盆近くでまとまった休みがとり易い頃になると、なんだかそわそわして来てしまう。
一週間ほど山や里をほっつき歩き、湧水を飲み、川原に寝て、時には神社仏閣に詣でたりするのだが、旅の最後にはよく熊野の海を眺めていた。
とくに那智から新宮にかけての海岸線を、古道の痕跡を辿りながら歩くのが好きだった。
古来、那智の浜からは「補陀落渡海」という捨身行が行われていたそうだ。
南方の海の果てにあるという観音浄土を目指し、身を捨てて小舟で旅立つ行者が、多数実在したという。
かつて私は、このブログの開始直後の記事で、その小舟をモチーフにした絵を描いたことがある。
確かにあの海を見ていると、そのまま舟で漕ぎだしてしまいたくなる気持ちは分かる気がする。
那智の浜では波の音を聴きながら眠ったこともある。
ふと目が覚めて、素晴らしい夜明けの風景に出会ったことも、一度や二度ではない。
いつの日か、またきっと。
(クリックすると画像が拡大します)
以前私は、夏には毎年のように熊野を遍路していた時期があった。
ここ数年行けていないのだが、その時期の名残で、今でもお盆近くでまとまった休みがとり易い頃になると、なんだかそわそわして来てしまう。
一週間ほど山や里をほっつき歩き、湧水を飲み、川原に寝て、時には神社仏閣に詣でたりするのだが、旅の最後にはよく熊野の海を眺めていた。
とくに那智から新宮にかけての海岸線を、古道の痕跡を辿りながら歩くのが好きだった。
古来、那智の浜からは「補陀落渡海」という捨身行が行われていたそうだ。
南方の海の果てにあるという観音浄土を目指し、身を捨てて小舟で旅立つ行者が、多数実在したという。
かつて私は、このブログの開始直後の記事で、その小舟をモチーフにした絵を描いたことがある。
確かにあの海を見ていると、そのまま舟で漕ぎだしてしまいたくなる気持ちは分かる気がする。
那智の浜では波の音を聴きながら眠ったこともある。
ふと目が覚めて、素晴らしい夜明けの風景に出会ったことも、一度や二度ではない。
いつの日か、またきっと。
(クリックすると画像が拡大します)