2011年07月21日

夏休みの工作に信長の「鉄甲船」を!

 誤って記事を一つ消してしまった(泣)
 せっかくをコメントをくださったtenjin95さん、ごめんなさい!


 というわけで、本来は続きの記事なのだが簡単に経緯を説明しておく。
 よく行くホームセンターで夏休みの工作セットのコーナーに視線を吸い寄せられた私は、その中に海賊船を作ることができるものを発見。
 ふと、「これをベースに信長の鉄甲船を作れんかな?」と思い立つ。
 鉄甲船はいずれがっちりした模型で再現してみたいのだが、それはいつの日になるか分からないので、まずは気楽に「夏休みの工作」で。
 世のお父さん方も大注目の工作「鉄甲船」物語、始まり始まり!
(以上、削除してしまった記事のあらすじ)


 実際の工作にはまだ入れないのだが、まずは組み立てキットのセット内容を確認。



●「海賊船自由工作組立キット」(海洋ものがたり)

 船体に使う船型の木材と、ゴム動力のスクリュー、各種端材、ペーペー、ボンド、ビニールシート、各種シールがセットになっている。
 作例では海賊船、漁船、タグボートの作り方が解説書に掲載されており、どれもなかなかかっこよくて、私の中にいまだに残留する小学生マインドを刺激される。
 ノコギリを使用する局面もあるが、本格的なものではなくノコギリ状のカッターで十分間に合う。まず小学生高学年なら自力で完成できるだろう。
 セットの箱の裏面を、参考画像として紹介しておく。

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 完成品を飾るだけならとくに問題はないが、実際に水に浮かべて走らせたいなら、いくつか注意点がある。
 
 まず、ペーパーがけの問題。
 木材なので、木口(切り株の年輪が見える面)にあたる所は、念入りにペーパーがけをしておこう。そのままだと着色や接着、ニス仕上げのときにギザギザして汚くなる。
 その時、ペーパーを持って本体をこすってもなかなからちが明かない。
 机にペーパーを敷き、本体の方を持って削るか、ペーパーを角材に巻きつけて使うと、面がはっきり出ていい感じになる。
 この辺りは大人が実演してみせると、子どもは素直に感心して尊敬してくれたりする(笑)
 三十代から四十代男性の中に星の数ほど存在する元ガンプラ少年の皆さん、腕の見せ所ですよ!

 次にボンドの問題。
 通常手に入り易い木工用ボンドは、使い易くて強度もあるのだが、残念ながら耐水性はない。
 乾燥後も長時間水に浸かると、外れてしまうことがある。
 このセットの場合は、直接水に浸かるのは主に船体ベースの部分なので、たっぷりボンドをつけて強力に接着すれば、20~30分水に浮かべる程度なら耐えられると思う。
 完成後にラッカースプレーで仕上げをすれば、多少耐水性は上がる。
 スプレーについては後述。

 次に、絵の具の問題。
 通常の水彩絵の具やポスターカラーだと、当然ながら乾燥後も水に溶けるので、透明ニス仕上げをしなければならないが、文具店やホームセンターで手軽に入手できる透明ニスの大半は、耐水性ではない。
 一番手っ取り早いのは、クリアーのラッカースプレーで仕上げることだが、有機溶剤使用のスプレーなので、小学生が作る場合はここでもお父さんの出番になるだろう。
 ペンキや模型用塗料、アクリル絵の具ならニス仕上げはパスしてもいいが、木工用ボンドの耐水性の問題もあるので、一応ラッカースプレーを吹いておくのがお勧め。


 そのまま作っても夏休みの工作としては十分成立するだろうが、当ブログではなんとか「鉄甲船(のようなもの)」をでっち上げるのが目的だ。
 工作の土台になる船型の板は、以下のような形状になっている。
 かなりいい加減な図面だが、1センチの升目をとってあるのでサイズの参考にしてほしい。

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 一応、このベース木材はこのまま使用する方針でいく。

 工作でもプラモでも、または創作作品にも言えることだが、あまりに理想を追いすぎると永遠に完成しなくなる。
 性格的に几帳面で完璧主義者であることは、悪い方に働くと「結局なんにも完成しない」という結果につながる。
 手持ちの材料をなるべくそのまま使い、ある意味「手を抜き、楽をする」ことが作品の完成には必要だ。

 戦国軍船を特徴づける箱型の矢倉をこのベースの上に乗せるわけだが、それを何で作るかが思案のしどころだ。
 鉄甲船だから実際に鉄で作る方法もある。
 薄手のスチール製の空き缶を金切り鋏で切り開いて使用すれば、重量の問題はなんとかなりそうだが、子どもに勧めるにはちょっと難易度が高い気もする。

 夏休みの工作っぽくするなら、割り箸やマッチ棒、竹ヒゴなんかも使い易い。
 昔は「アイスの棒」なんかも集めたが、最近はセットで売っているのでそれを買ってもよい。


●「スティックブロック」

 今後、鉄甲船そのものの資料整理をしてから、八月後半には制作開始する予定。
 
 普通に組み立てて海賊船にする場合は、この記事を参照してください。

 追記:8月22日から、鉄甲船工作開始!
posted by 九郎 at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

夏休みの工作にまずは普通の海賊船を!

 先月、夏休みの工作に信長の「鉄甲船」を!という記事を書き、海賊船が作れる工作セットを紹介したところ、予想以上のアクセスがありました。


●「海賊船キット(海洋ものがたり)目指せワンピース【ひとつなぎの大秘宝】」エコール教材
 やはり流行りものの海賊船は、この夏休みの工作のテーマとして大人気であるようです。
 需要があるみたいなので急遽、工作セットをもう一つ買い足して、鉄甲船ではない普通の海賊船も作ってみることにしました。(もちろん鉄甲船も作ります。しばらくお待ちを)
 
 写真はクリックすると拡大します。

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 前回記事で紹介した工作セットの完成見本とはかなり違って見えると思いますが、木材は全てセット内で作っており、買い足していません。
 組み立て解説書通りに作るとけっこう部品が余るので、飾り付けに各所に張り付けて、細部を表現しています。

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 木工用ボンドをたっぷり使って組み立て後、全体に「けやき」色の水性ニスを塗り、アクリル絵の具で各ポイントを着色、その上からクリアーのラッカーを薄く何度も吹いています。
 ニスとラッカーの塗膜で木工用ボンドが保護されて、一応耐水性にはなります。
 今回は「飾る」ことを重視して、ゴム動力のスクリューは付けていません。

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 帆の部分に使う白いシートはつや消し黒のスプレーで着色。飾り台も同じスプレーを使っています。
 帆柱はメンテナンスと収納を考えて脱着式。

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 作ってみて一番ハマったのは、船尾の部分。
 舵らしきものなど、装飾を念入りに施してみました。
 帆船模型の写真では、よくこの船尾方向からの写真が紹介されていますが、今回自分で船の工作をしてみて、作り手の「こっちから見て見て!」という気持ちが理解できました(笑)
 制作時間はゆっくり楽しみながら作って合計8時間ほどでしょうか。
 ボンドや塗料の乾燥時間が必要なので、一気に一日で仕上げるのは難しいと思います。
 2時間ずつ4~5日ぐらいの予定で制作するのが良いでしょう。
 夏休み最後の一日だけで作ろうとすると、楽しくありませんし、たぶん失敗します。
 最低でも3日はとりましょう。


 この記事を読むのは、工作する子供本人ではなく親御さんである場合が多いと思います。
 とくに模型製作には一家言あるであろうガンダム世代の30~40代のお父さん方に、私のこれまでの工作指導経験からいくつかアドバイスを書いておきます。

●あまりかたいこと、むずかしいことは言わず、なるべく好きに作らせてあげましょう。
●アドバイスはデザインではなく主に技術面で。知識と体験が必要なのは、以下のような点です。
 ・サンドペーパーのかけ方
 ・ノコギリやカッターの使い方
 ・絵の具やニスの平坦な塗り方やマスキング
 ・ラッカースプレーの使い方
 実演して見せてあげると、技術面は素直に感心してくれると思います。
●出来れば子供さんと同じような船の工作セットを用意して、それぞれ見せあいながら工作を進めて行くと、楽しくできると思います。あれこれ指示するより大人は「背中」を見せましょう!

 今回はあくまで「工作」で、本格的な模型製作ではありませんが、やっぱり制作にあたっては帆船や海賊船の写真資料が欲しい所です。
 試みに画像検索してみましたが、あまりパッとしないので、安めの資料を紹介しておきます。


●「帆船模型」(保育社カラーブックス)
 私の中の法則に「工作ならとりあえずカラーブックス」というものがあります(笑)
 この本は文庫サイズながら、質の良い帆船模型の写真多数と、作り方の解説が一通り揃っており、価格も安いのでお勧め。
 本格的な帆船模型を本当に作りたいなら、他に資料は必要になってくると思いますが、工作の参考資料にするならこの本で十分です。
 現在、出版社在庫切れのようですが、カラーブックスは古書相場が200円ぐらいで、入手はそんなに難しくないでしょう。

 それでは皆さん、ご健闘を!
 
 鉄甲船はまた後日。

【追記】
 一応水に浮かべる実験をしてみたところ、耐水性も重量も「普通に浮かべて眺める」範囲では問題ありませんでした。
 けっこう甲板ぎりぎりまで水位が来るのですが、やや船首側が浮くのでゴム動力スクリューをつけても大丈夫でしょう。
 写真で赤いラインを引いているあたりが、ちょうど喫水線になりました。

【追記2】
 これ以外の夏休みむけ船の工作キットについて、まとめ記事を書きました。
 夏休み 船の工作キット紹介
posted by 九郎 at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2011年08月22日

そろそろ鉄甲船でも作るか!

 夏休みもあと実質一週間ほど。
 工作はもう始めないと地獄を見ることを、私ははるか昔に学んだ!
 戦国軍船の資料調べは楽しいが、あくまで工作なのだからあまり調べ過ぎて頭でっかちになっても、かえって作れなくなる。
 ベースになる工作キットをなるべく活かし、なるべく難しいことをせずに、なるべく「鉄甲船」の雰囲気を出していく。


●「海賊船自由工作組立キット」(海洋ものがたり)
 
 色々検討した結果、やっぱり夏休みの木工作品の風合いを出すためにも、「アイスの棒」をメイン素材に使用することにした。
 馬鹿正直に本当に全部アイスの棒で作ろうとするとおなかをこわすので、良い子は賢くセット販売のものを使いましょうね。


●「スティックブロック」

 一口に戦国軍船と言っても、なかなかイメージが湧かないかもしれない。船の資料はこちらの記事で紹介済み。
 信長の鉄甲船は、「安宅船(あたけぶね)」と呼ばれる大型軍船を、一回り大きく、しかも表面に鉄板を装甲した姿で再現イラストが描かれるのが通例になっている。
 本当にそうだったかどうかはさておき、夏休みの工作で作るなら、通説を念頭に置くのが無難。
 安宅型の軍船で一番特徴的なのは、弓鉄砲を避けるための盾板を張り巡らした箱のような船体だ。
 
 だから微妙な曲線はこの際省略して、とりあえずアイスの棒で「箱」を作って船型の板の上にのせてみよう。話はそれからだ!

 工作キットの船体用板に乗るサイズの「箱」を、アイスの棒の長さをなるべくそのままに、木工ボンドででっち上げてみる。

 表面と「フタ」にあたる面。

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 裏面と、「底」にあたる面。

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 セロテープで仮止めして船体にのせる。

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 うん。
 言いたいことはわかる。
 
 寸詰まりだね

 よし!
 今回の作品はSD(スーパーディフォルメ)で行こう!

 あと、安宅型軍船の特徴になるのは船首・船尾の形状と、「箱」の上に乗っかる矢倉か。
 
 サクサク行ってみよう!

(つづく)
posted by 九郎 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2011年08月25日

木の工作と「鉄甲」の葛藤

 ちょっと物足りなかった船首・船尾に、工作を追加。
 実物の安宅型軍船は、船首部分は大砲搭載なので平たい作りになっていたらしい。
 1cm厚のバルサ板から切り出して、キットの付属パーツを適当に張り付けてみる。
 船首部分のボリュームが増したので、やや「寸詰まり」な感じは緩和された。

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 船尾部分もその船の特徴があらわれ易いところなので、ちょっとがんばって工作。
 和船の持つ曲線美は、今回のようなアイスの棒をメインにした工作では望めないのが残念。

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 造形と並行して、可能な部分には着色も開始している。
 木の工作の風合いは残したいので、なるべく木材が透けて見えるようにニス塗り。
 ただ、今回は「鉄甲船」なので、鉄の部分は他の木の部分とは区別したい。
 区別はしたいけど、木の風合いも残したい。

 結局、「鉄」部分には黒の水性ステインを塗り重ねることにする。
 必ずしも「鉄」の表現にはなっていないが、「二種類の素材」ということの説明にはなっているだろう。

 あとは「箱」の上に乗せる櫓や帆柱、三か所の砲台を作れば、それなりに見栄えはしてきそうだ。
(つづく)
posted by 九郎 at 23:01| Comment(2) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2011年08月27日

「かわいさ」と「いかつさ」の狭間

 鉄甲船の箱型矢倉の上部を工作する。
 安宅型軍船の場合、ここには館のような「やぐら」が立っているとされる。
 信長の鉄甲船は通常の安宅船よりもサイズが大きく、また信長の派手好みの性格から、城の天守のように立派なものが再現イラストで描かれることが多い。
 中には大小のやぐらが二連で描かれているものもあるが、今回の工作作品は「寸詰まり」のSDなので、寸法的に一つしか作れない。

 組み立てたものを船首側から撮ってみる。

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 軍船なのでシンプルな小屋型の方が良いかと思い、アイスの棒で作ってみたのだが、箱型矢倉の上に乗せてみるとなんだか可愛らしい犬小屋がビルの屋上に置いてあるみたいになってしまった。

 これはいかん! 

 と、犬小屋に各種装飾を施し、ディフォルメした中にも「いかつさ」を表現してみた。
 手持ちの角棒や、キットに入っていたパーツなどを適当に貼りまくる。
 工作なのでこういうところは難しく考えずに楽しんでやった方がいい。

 史実としても、この箇所は船大工ではなく城大工が担当していたらしいので、信長の鉄甲船の場合はもしかしたら安土城の天主の面影があったかもしれない。

 船尾側から見ると、こうなる。

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 貫通している「棒」は、帆柱。
 知らない人が見ると「ありえん!」と思うだろう。
 私もまだ完全には納得していないのだが、驚くべきことに安宅型軍船の帆柱は、収納時には本当にここを貫通していたらしいのだ。
 安宅船は通常は風を受けて帆走出来るのだが、戦闘時には帆が火責めの標的になり易く、また小回りを利かせるために、帆柱ごと収納して櫓で漕いでいた。
 通常航行時にはこの帆柱を引き抜いて、綱なども使いながら立てていたらしい。
 それはわかるのだが、なぜわざわざここを貫通させる必要があったのだろうか?
 やぐらの横に置いといては駄目なのだろうか?

 ともかく、安宅船の外見的特徴の一つなので、ここはそのまま再現しなければならない。

 一応、帆が立つようにも考えてある。

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(つづく)
posted by 九郎 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする