弦楽器が好きなので私の自作楽器はウクレレやギターが中心だが、その他のものを作ることもある。
以前紹介した団扇太鼓もその一つだ。
この一年は百均の木箱を使った弦楽器にハマっていたが、昨年は一時、団扇太鼓等の打楽器に関心があった。
寒くなってくると、たまに参加している反原発デモで弦楽器を弾くのが辛いという事情もあった。
そこそこ大きな音が出て持ち運びにも無理がなく、しかも安く簡単に作れる楽器となると、選択肢は絞られてくる。
DYI楽器の中では人気の高い「カホン」がその一つだ。
カホンは木でできた椅子のような直方体に、サウンドホールが空いたごく簡単な構造の打楽器だ。
実際、椅子のように腰かけ、両手や踵を使ってリズムパターンを刻む。
メインの打面はサウンドホールと反対側の正面で、内部裏側にドラム的な「ダシッ!」とか「バシャッ!」とかいうような音色を加えるための細工が施してある。
叩く場所によって音が違い、様々に叩き分けることができる。
楽器自体は物凄くシンプルな作りなので、奏者によって演奏法は十人十色だ。
私は例によって素人の蛮勇を奮い、通常のカホンを前後に半分のサイズにぶった切ったモバイル版をでっち上げてみた。
マンダラマークがついているのが正面のメイン打面。
側面に持ち運び用の取っ手が見える。
裏面にはサウンドホール。
サウンドホールを覗くと、メイン打面裏の仕組みがある。
スナッピーというドラムのパーツを半分に切断して張り付けてあり、これが「ダシッ!」という音色の元になっている。
調べてみるとカホン作りにも色々流派があるのだが、私は一番簡単だと思われるこの方法を選んだ。
打面の板は接着せずにネジ止めにするのが主流のようだが、今回は塗装したかったので接着する方を選んだ。
下面にはホームセンターで入手したゴム製のストッパーをつけてある。
サイズは約30cm×15cm×45cm(通常サイズは約30cm×30cm×45cm)で、けっこう鳴るものができた。
木材が余ったので、ついでにミニサイズのものも作ってみた。
こちらは約20cm×20cm×25cm。
子供椅子くらいの大きさだが、大人でもなんとか座って叩ける。
まあ、音色を追求し出すと果てしなく奥は深いのだろうけれども、素人工作でそこそこ鳴らすという意味では、カホンは難易度が低くてチャレンジしやすい楽器だと思う。
2014年12月17日
2015年12月03日
山姫の歌声
10月末に応募していた第二回全国妖怪造形コンテストの結果発表があった。
残念ながら受賞ならず。
ただ、最終選考作品の中には入れてもらえていた模様。
応募総数との割合から考えると、今回のコンテストの「入選」「最終選考」は、それぞれ、通常の展覧会で言うところの「入賞」「入選」に相当する感じか。
今回のコンテストのお題は「小豆洗い」「山の神」「雪女」の中から、一つを選んで造形作品にするというもの。
柳田國男の故郷、福崎町の町おこしイベントで、去年の第一回は「天狗」がテーマになっていたようだ。
知り合いから「こんなコンテストがあるけど九郎(仮名)さん、どう?」と紹介され、中々面白そうだとネタを考え始めたのが夏前。
第一回の応募作を参照する限り、フィギュア造形が主流になっているようだが、わりと幅広い表現も許容してもらえるようなので、参加を決めた。
今回の3テーマから自分が選ぶなら「山の神」だなということは、早々に決まった。
柳田國男の「山の人生」等を再読しながら、想を練る。
元プラモ少年とは言え、素材も器材も技術も進化しまくった現代のフィギュア造形には、正直ついていけてない。
直球勝負はできそうもないので、他の応募者の皆さんが投げられないような変化球でのアプローチを目指すことにした。
自分の土俵と相手の土俵の円が交わる、ごく狭い領域を眺めていると、山の女神の霊が隠った付喪神(つくもがみ)の姿が立ち現れてきた。
以下、応募に使用した情報と、完成写真である。
[作品タイトル]山姫の歌声
[作者名]烏帽子九郎
[作品サイズ]800×180×100mm
[作品の素材]木材
[作品紹介]
山の女神をモチーフにした三弦楽器で、もちろん演奏可能。
楽器としては比較的軽量コンパクトなので、山歩きやキャンプのお供に携帯可能。
半分にたち割った丸太から削り出したボディは、山の風景によく馴染む外観。
つま弾けば山姫の口にあたるサウンドホールから不思議な音色が奏でられる。
我ながら面白い楽器ができてしまった(笑)
亡き水木しげる先生と、母方の祖父の影響は、今も私の内にある。
残念ながら受賞ならず。
ただ、最終選考作品の中には入れてもらえていた模様。
応募総数との割合から考えると、今回のコンテストの「入選」「最終選考」は、それぞれ、通常の展覧会で言うところの「入賞」「入選」に相当する感じか。
今回のコンテストのお題は「小豆洗い」「山の神」「雪女」の中から、一つを選んで造形作品にするというもの。
柳田國男の故郷、福崎町の町おこしイベントで、去年の第一回は「天狗」がテーマになっていたようだ。
知り合いから「こんなコンテストがあるけど九郎(仮名)さん、どう?」と紹介され、中々面白そうだとネタを考え始めたのが夏前。
第一回の応募作を参照する限り、フィギュア造形が主流になっているようだが、わりと幅広い表現も許容してもらえるようなので、参加を決めた。
今回の3テーマから自分が選ぶなら「山の神」だなということは、早々に決まった。
柳田國男の「山の人生」等を再読しながら、想を練る。
元プラモ少年とは言え、素材も器材も技術も進化しまくった現代のフィギュア造形には、正直ついていけてない。
直球勝負はできそうもないので、他の応募者の皆さんが投げられないような変化球でのアプローチを目指すことにした。
自分の土俵と相手の土俵の円が交わる、ごく狭い領域を眺めていると、山の女神の霊が隠った付喪神(つくもがみ)の姿が立ち現れてきた。
以下、応募に使用した情報と、完成写真である。
[作品タイトル]山姫の歌声
[作者名]烏帽子九郎
[作品サイズ]800×180×100mm
[作品の素材]木材
[作品紹介]
山の女神をモチーフにした三弦楽器で、もちろん演奏可能。
楽器としては比較的軽量コンパクトなので、山歩きやキャンプのお供に携帯可能。
半分にたち割った丸太から削り出したボディは、山の風景によく馴染む外観。
つま弾けば山姫の口にあたるサウンドホールから不思議な音色が奏でられる。
我ながら面白い楽器ができてしまった(笑)
亡き水木しげる先生と、母方の祖父の影響は、今も私の内にある。