2017年05月06日

カテゴリ「積ん読崩し」

 子供の頃から本が好きだった。
 もっぱらエンタメ中心の読書だったが、二十代半ばあたりから仏教をはじめとする宗教関連の本や、絵を描くための資料を集積するようになった。
 当時も今も狭い部屋は本でいっぱいなのだが、少しずつ整理を始めたのが2年前の年明け。
 本の処分を思い立ったことにはいくつか理由がある。
 思い付くままに列挙してみる。

・必要不可欠な資料はほぼ揃え終わり、取捨選択の時期に来ていること。
・ごく単純に、部屋の容量を超えてしまっていること。
・蔵書に記憶が追い付かず、同じ本を複数所持し始めていること。
・ネットの画像検索が充実してきて、アナログの写真や画像資料の必要性が薄れたこと。
・有名どころの著作権切れ作品は、ネットでも無料電子本でも読める環境になったこと。

 まあ、要するに「そろそろ潮時」だったということだ。

 概算で4000冊を超えていたであろう本を分別し、処分すべきは処分する。
 整理を始めてから500冊ぐらいは、迷うことなくガンガン減らせた。
 よほど偏愛する作家でない限り、エンタメ作品は基本的に処分。
 とくに売れ筋の作品は、自分で所持しなくても世から消えることはない。
 宗教や芸術、文化等についての本も、評価の定まったスタンダードな本はどこの図書館でも借りられるので処分。
 とくに著作権の切れているものはネットや無料本でも読めるものが多いので、ばっさり処分してさしつかえない。
 
 中には「ありがとう、そしてさようなら」という本もある。
 自分なりに学び始めた当初、その分野の入り口の解説として楽しみつつ多くを得たが、そろそろ卒業すべしと判断した著者の本である。
 梅原猛さん、中沢新一さん、荒俣宏さんの本は箱詰めにするほどいっぱいあったが、この十年ほど手に取っていない。
 厳選した一部を残し、感謝と共に処分。
 さようなら、また誰かの学びに役立ってください。

 700冊減を超えたあたりで、処分のペースがガクンと落ちた。
 いつか読もうと思っていてまだ読んでいなかった本を、順に読み始めたからだ。
 一念発起してみると、今まさに読むべきだと感じる本が意外に多い。
 十年前、二十年前だと、背伸びして無理に読んでも価値が分からなかっただろう。
 過去の自分の目利きを誉めたい。

 始めてからそろそろ二年半、本の整理ばかりしてはいられないのでスローペースながら、これまでに1200冊ほど減らした。
 この分ならあと300冊分くらいはいけそうか。

 このカテゴリ「積ん読崩し」では、整理の過程で積ん読を解消した本のレビューや、そこまでは行かなくとも基本情報についての覚書を残しておくことにする。
posted by 九郎 at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 積ん読崩し | 更新情報をチェックする

2017年05月05日

広げた風呂敷の畳み方3 マンガ「無限の住人」のこと

 ああ、そう言えばこのGWから、実写版「無限の住人」の劇場公開が始まっているのだなあと思い出す。
 キムタク本人が珍しく必死で宣伝中とか。
 原作のマンガ版は以前読み耽ったことがあるので、実写版も興味はあった。
 事前情報の範囲では、つまらなくはなさそうだけど、実際観に行くには「もう一押し」欲しい。
 どうせキムタクが出るのなら、主役の万次じゃなくて、狂気の殺し屋「尸良(しら)」を熱演して役者開眼!!! とかだったら絶対観に行くのだけれど(笑)
 しばらくは私が信頼する目利きの皆さんのレビュー待ち。

 今回は映画公開に便乗して原作についてである。
 沙村広明の原作マンガは93年から月刊アフタヌーン誌で連載され、「これ本当に完結するのか?」と長らくファンを悶えさせる長期連載人気作の一つになっていたが、2012年無事完結。
 私は2000年頃から気になりながらも「これは溜めておいて完結近くになってから一気に読むべし!」という勘が働いて、あえて黙殺してきた。
 2009年頃「そろそろか?」と読み始め、一気にハマって繰り返し再読、妄想交じりの深読みをしながら完結まで追いかけた。

 同時期に同様のハマり方をした「GANTZ」「シグルイ」とともに、完結までの数年間をたっぷり味わいつくした。
 同時期に同様のハマり方と言えばもう一作、「ベルセルク」もあるのだが、こちらはいまだ終りの気配が見えない。
 マンガ「GANTZ」については、これまでにも何度か語ってきた。

 広げた風呂敷の畳み方1
 広げた風呂敷の畳み方2


●「無限の住人」沙村広明(アフタヌーンKC)
 少々注意すべきは、このマンガ「時代劇」ではない。
 江戸の風景に仮託した「バイオレンスファンタジー」に分類するのが妥当なので、年長の「時代劇ファン」が読むと面食らうかもしれない。
 リアルな描写に頼れない分、筋立てやバトルの「質」が問われるのであり、この作品はそこが面白いのである。

 読者の期待が高まり切った長期連載人気作は、終わり方のハードルもどんどん高くなっていく。
 思い入れの強いファンを多数抱えれば抱えるほど正解はなくなり、どのように終わっても文句はでる。
 それは、ヒットしたことで「隅々まで語りつくせる場」を得たことの代償とも言える。
 まずそこまでたどり着いたこと自体が凄いし、多大な重圧の中、完結させられたのならなお凄いと素直に思う。
 だから私は好きな作者、好きな作品については、基本的に作者の描いたラストをそのまま味わうこと、肯定することを前提に読む。
 以前「GANTZ」について語った時にも、そのような読み方を提示したつもりだ。
 私が「無限の住人」で最も興味深く味わったのは、「当初の筋書と、勝手に動き始めたキャラの関係」だった。
 マンガの長期連載作品において、作者も読者も度々体験し、最も面白く感じるのは、「キャラが勝手に動き出す」という現象ではないだろうか。
 日本の雑誌連載マンガの醍醐味はそこにあり、その現象を起こしやすくするためのノウハウこそが、作者や編集者の手腕と言っても良い。
 当初はさほど重要ではなかった脇役が、暴走によって作中で重みを増すことはよくあるし、あらかじめ「枠」を嵌められがちな主役級を、存在感で食ってしまうことすらある。
 本作において、そのような「予想外の成長」を遂げた代表格が、先にも名を出した殺し屋「尸良(しら)」だと思う。
 この男、まさに最悪のゲス野郎である。
 登場した最初の時点から、嗜虐趣味で「仕事」以外で女子供まで殺しまくるサイコだった。
 それが、主人公万次に右手首を切り落とされると、残った右腕の肉を自らそぎ落とし、骨を武器に仕立て上げて復活する。
 苦痛で白髪に変わり、狂気と残虐性はアップ、おそらくこのあたりから作者の想定外にはみ出し始めていたのではないかと思う。
 さらに別の登場人物に残った左腕を切られ、滝つぼに叩き落される。
 落下の衝撃で左目を失明し、痛覚も失うのだが、それでも復活。
 その後、あるきっかけで不死身の主人公万次の左腕を得て、自身も不死を獲得する。
 キャラクターの存在感、生命力にじわじわと引きずられ、作者にも制御不能になりつつある過程が非常にスリリングだ。
 尸良は元々、「万次とヒロインVS天津影久率いる逸刀流」という、ストーリーの本筋にからむキャラクターではない。
 だから最終話に向けたクライマックスへの展開以前に、やや離された位置で決着が付けられた。
 作者が途中から尸良を隔離したのは賢明な判断だったと思うし、「本筋のクライマックス」は、それはそれとしてよく盛り上げ、綺麗に終わらせたと思う。
 しかし、私が作品鑑賞で重視する「感情のピーク」という点では、やはり「尸良の悲惨な野垂れ死に」のシーンこそ、強く印象に残ってしまう。
 長期連載ではこのような「想定外」は往々にして起こるもので、それも含めて、やはり「無限の住人」は名作だったと思うし、作者はよくぞ描き切ったと思うのだ。

 本作「無限の住人」は、今公開中の実写版以外にも、アニメ版等の派生作品がある。
 その中でも私が一番好きなのが、和製ハードロックバンド・人間椅子のイメージアルバムである。


●「無限の住人」人間椅子
 人気漫画のイメージアルバムでありながら、同時に人間椅子のオリジナルアルバムでもある極上の一枚。
 実写化やアニメ化の際には、もうごちゃごちゃ言わんと収録曲の「刀と鞘」か「辻斬り小唄無宿編」をオープニングに、「無限の住人」をエンディング主題歌にすれば良いと昔から思っていた。
 マンガのファンに一回でも聴いてもらえれば、そのクオリティは理解してもらえると思うのだが、ビジネス上の理由からか、現在までに一度も実現していない(悲)
 とにかく動画サイトででもどこでも、タイトル曲「無限の住人」だけは聴いた方が良い。
 ハードでアコースティックでプログレでしかも「和」の世界と言う、人間椅子にしか不可能な離れ業である。
 ジャケットも手掛けたマンガ家・沙村広明は、元々人間椅子のファンだったそうなので、ここまでの仕上がりには感涙したのではないかと思う。
 この機会に、原作ファンは必聴!
(今現在amazonでは高値がついているが、再発もあるかもしれない)
posted by 九郎 at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

2017年05月03日

おりがみ「井伊家の赤備」

 毎年この時期に作っている「おりがみ兜」、今年のネタはせっかく大河が「直虎」なので、井伊家の赤備をテーマにしてみよう。
 赤備と言えば武田や真田も高名だが、今回モデルにしたのは井伊直政所用と伝えられる、朱塗りに巨大な金の天衝の頭形兜。
 井伊家歴代の原型になったとされるものである。

kabuto-38-01.jpg


kabuto-38-02.jpg


 井伊直政は、現在放映中の大河ドラマでは「虎松」にあたる。
 五目並べに負け、いい顔で悔し泣きしていたあの小さい男の子だ。
(今気づいたけど、「直」で「政」か。。。)

 折り方はこれまでにも何度か紹介してきた「変わり兜」からのアレンジ。
 おりがみ兜
 八咫烏の兜
 おりがみ「六文銭兜」

 以下の本に折り図が掲載されている。


●「変わりおりがみ」杉村卓二著(保育社カラーブックス

 本来は対角線が1:2のひし形にカットした紙から折っていくのだが、今回は頭部を赤、天衝にあたる箇所を金にしたかったので、一工夫。
 裏地が赤の金箔折り紙を、以下のように折った所からスタートする。

kabuto-38-03.jpg


 好みで色々試してみれば、作例に近いものができると思う。
 今回使用したのは以下のおりがみ。


●トーヨー 豪華金箔調おりがみ 24cm角 金赤 6枚入

 これまでのおりがみ兜まとめ記事は、こちら
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 紙(カミ) | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

大河「おんな城主 直虎」

 そろそろ一回記事にしておこう。
 今年のNHK大河「おんな城主 直虎」のことである。
 去年の「真田丸」が面白過ぎたこともあり、実は始まる前はちょっと不安視していた。
 事跡がほとんど残っていない人物で、しかも基本設定の「女城主」ということも確定した史実とは言えないのに、果たして一年の長丁場をもたせられるのか、心配だったのだ。
 ところがふたを開けてみればかなり面白い。
 近年の大河では異例なほど丁寧に描かれた子役三人がまず素晴らしかったし、成長後の次郎法師、直親、政次の三人も熱演中だ。
 とくに小野政次役の高橋一生の演技は、毎回緊張感をもって注視している。
 主役の直虎はじめ、キャストは全体にはっきりわかりやすい演技になっている中、政次とその父・小野政直だけが「影」をもつ抑えた演出になっており、対比が鮮やかだ。
 父が政次に遺した「お前も必ず同じことをする」という予言めいた一言は、果たして呪縛か解放か?
 先行きに目が離せないのである。

 内容的には、派手な合戦シーンこそ少ないものの、統治や経済の在り方がけっこう取り上げられているのが面白い。
 今川仮名目録が周辺の国にも影響を与えている様や、寺社の権限、金融業の発達、物流、労働力の調達など、興味深いテーマがちゃんとストーリーと絡めて描かれている。
 軍記ものでは「華」とされるいくさが、実際には政治や外交の一つの結果に過ぎないことが、ドラマとして伝わってくる。

 個人的には、民族音楽やスライドギターを多用した音楽も面白い。
 第16回「綿毛の案」では、噂話を流すシーンで、今でいうラップみたいな盛り上がりを見せたところがあった。
 あれは「祭文語り」等の放浪芸を元にしているのではないかと思うが、今の私の好みにドンピシャだ。
 音楽や芸能指導をしている人のセンスがとても良いと思う。

 視聴率的にはやっぱり振るわないようだが、それは観ないやつが悪い!
 今更有名どころの戦国武将や合戦シーンばかり求めるのがアホ!
 スタッフ、キャストには、ぜひこのままの姿勢で頑張ってほしい!
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | カミノオトズレ | 更新情報をチェックする

2017年05月01日

2017年5月の体調管理

 そろそろGWか。
 年度初めの4月は馬鹿正直に頑張りすぎないよう、適度に手を抜きながら乗り切った。
 そしてついに5月!
 思い返せば一年前の5月末、生涯初めての開腹手術を経験した。
 大げさではなく、死ぬかと思った。
 鼠径ヘルニア(脱腸)まとめ
 術後の経過は順調で、この一年は長年の付き合いの胃腸炎も起こさずにこれている。
 胃腸の調子が良いのは、ヘルニア治療を受けたおかげかもしれない。
 考えてみれば、物理的に腸が出たり引っ込んだりすることが身体の負担にならないわけがない。
 そこが改善されれば胃腸炎も起こしにくくなるということは十分考えられる。
 でもまあ、ここで調子に乗らずに養生しなければならない。
 何と言っても、もうおっさんなのだ。

 胃腸の調子が良い分、ちょっと体重は増加傾向。
 せっかく減量に成功したのだから元の木阿弥にならぬよう、糖質制限の強化に努めなければ。
 
 酒は焼酎をロックで少々。
 焼酎なら糖質0なのでセーフ!
 最近気に入っていたのは黒霧島。



 本当は泡盛が好きなのだが、こちらはコンビニでカップでも売っているので入手しやすく、美味い。
 けっこう人気のようで、立ち寄ったコンビニの店員さんに「これ美味いっすよね〜」と声をかけられたことが何度かあった(笑)
 今はもう、あまり量は飲まないので、一升買っとけば3〜4週間はもつ。

 ところがつい最近、近所のスーパーで泡盛の一升パックが取り扱いになってるのを見つけてしまった!


●久米島の久米仙 パック 30度 1800ml
 
 やっぱり美味い。
 ツーフィンガーぐらい注いで氷を浮かべ、少し溶けるのを待って口に含むと、うっとりしてしまう。
 30度なので好みによってはミネラルウオーターや炭酸水で割ってもいいと思うが、私は昔からロックが好きだ。
 あと、これはあまり賛同してもらったことがないのだが、あてには具沢山の味噌汁!
 キリッと冷えたロックの焼酎と、熱い味噌汁の具!

 軽く一杯やりながら、5月もぼちぼち行きましょう。
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 身体との対話 | 更新情報をチェックする