2019年04月17日

第七回文学フリマ大阪 (2019/9/8)

 今年9月開催の「第七回文学フリマ大阪」に出店が決まりましたので、ご報告。
 前回参加はもう四年前になりますね。

 文学フリマ大阪2015

 その時は知り合いの出店に個人誌で便乗させてもらう形でした。
 今回はフルスペックのわが「縁日屋」で出陣します。
 そしてそろそろ、新作個人誌の制作も開始します。
 乞うご期待!
posted by 九郎 at 23:29| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2019年04月13日

ヤマザクラ2019

 先週末、恒例のヤマザクラ花見に行ってきた。
 昨年のスケッチでは、かなり色使いについて収穫があった。

 お花見2018
 お花見2018その2

 今年はどんな発見ができるだろうか。

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 近辺で一番好きな樹で昼食と花見。

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 人通りも少ない中、贅沢なひととき。

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 桜だけではなく、早春の山では様々な花見が楽しめる。

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 お気に入りのヤマザクラは、毎年モクレンと同時の開花が楽しめていたのだが、去年の台風からか、モクレンの方は倒れてしまっていた。
 コラボは今年で最後かもしれない。

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 もちろんスケッチも。
 桜の季節の色合いは、明度を上げて、彩度はやや抑えて。
 緑が鮮やかになるのは桜の直後、葉桜から新緑にかけてなので、緑系は抑えめに。
 白い紙に水彩ならピンクはやや強め、影のパープルを少し効かせて。

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 描いていて一つ気付いた。
 上記のような桜の季節の色彩は、そのまま桜餅の色合いだ!
 餅の中の餡の色は、桜の幹の暗色に似てる(笑)

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 色々感じ取りながら、今年のヤマザクラのスケッチ完成。
 ピンクはスキャンや印刷で出にくく、意外と写真で撮った方が良いこともある。

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 今年も良い花見、良いスケッチが出来たと思う。
posted by 九郎 at 18:47| Comment(0) | 季節の便り | 更新情報をチェックする

2019年03月31日

怪異とロスジェネ

 先ごろ、このカテゴリでも紹介してきた実話怪談の書き手・川奈まり子さんが、Twitterで呟いておられたことが気になった。
 怪異体験の聴き取り対象の年齢層が、「ロスジェネ」と呼ばれている層とかなり重なっているのではないかという主旨の呟きである。
 ロスジェネとは、いわゆるバブル世代の直後、就職氷河期を経験した、年齢で言うと三十代後半から四十代後半にかけての年齢層を指す。
 別の分類では「団塊ジュニア」とも重なっており、同年代の人口が多いので受験や就職で過酷な競争にさらされたにも関わらず、政策的には放置されてきた世代でもある。
 実は私も、この世代に引っかかっている(苦笑)
 現在の少子化の流れは、この世代が家庭を持ち、子育てに入ることが困難だったために事態が悪化したともいえる。
 民主党政権で実施された「子ども手当」は、極めて不十分ながらも、団塊ジュニアに現ナマが撒かれた希少な政策であった。
 年代別の人口を考えると、このタイミングが少子化に抗するラストチャンスであったかもしれないのだが、政権交代によりあっさり撤回され、少子化対策は既に手遅れになった。
 本来もっともっと手厚く支援されるべきであった団塊ジュニアにろくな補給を与えず、無意味な精神論で玉砕を強いてロスジェネ化させたこの国は、旧日本軍の愚策「インパール作戦」から何一つ変わっていないようだ。

 日常生活や体調の不安定、強いストレスは、おそらく怪異と親和性が高い。
 これまでの成育歴をふり返ると、私自身ははっきりと「怪異」の領域まで入ってしまうことは少なかったのだが、それに近い「夢がやや現実に浸入してくる」体験はあった。
 いわゆる「金縛り」や「幽体離脱」などである。

 金縛りと幽体離脱

 幼児期、思春期、社会に出る前後、あとは「中年の危機」の年代に、それは出やすかったと記憶している。

 ロスジェネが今現在、怪異の体験を語るケースが多いというのは、「さもありなん」と感じた。
 四十路を越えると、それまでの自分をあれこれ振り返ることも多いだろう。
 今現在だけでなく「過去がぶり返して現在の体験化する」というのもありそうだ。
 怪異の効用というか、怪異を心と体の治癒過程に軟着陸させるノウハウというものもあるはずで、昔はそれを宗教や民俗が担っていたのだろう。
 先に挙げたような怪異に会いやすいそれぞれの年代で、節目として民俗行事は用意されている。
 怪異現象には一応「科学的説明」がつくものも多く、私がよく体験してきた金縛りや幽体離脱はその典型。
 しかしながら「科学的な説明」の欠点は、実際体験している最中の恐怖感に対し、屁のツッパリにもならないところだ(笑)
 不動真言なんかの方が「現場」では有効だったりすることを、私自身これまで度々実感してきた。

 経済的にも人との縁からも疎外されがちだったロスジェネは、伝統的な宗教や民俗からも切り離された年代。
 心身の不安定から怪異に遭遇してしまった際のセーフティーネットが何もない、いわば「怪異難民」になってしまっているのかもしれない。
 そしてそこに口を開けて待っているのがスピリチュアル系カルトだったりする。
 そう言えばロスジェネは子供時代から青年期にかけて、メディアがオカルトだらけだった世代でもあり、オウム世代とも一部重なっている。

 このカテゴリ「怪異」で考えるべきことが、少しずつ焦点を結んできたようだ。
posted by 九郎 at 22:58| Comment(0) | 怪異 | 更新情報をチェックする

2019年03月22日

試作スケッチ「おにのうで」

 先月の「動物のからだ展」で出会った「ライオン前肢乾燥標本」、当面の目標としていた鉛筆スケッチが完成したので、本格的に作品化して行くために仕切り直し。

 会場でこの標本に一目惚れしたのは、お寺に奉納されていれば「鬼の腕」と称されそうな、夢枕獏「キマイラ」に出てくる幻獣の腕のような、禍々しくも威厳ある佇まいからだった。
――これをモデルに「鬼の腕」または「キマイラの腕」が描きたい!
 そんな着想を得たので、ぼちぼち進めていく。

 直接のイメージはライオン前肢と夢枕獏「キマイラ」からなので、まずはイメージをかきたてるため、夢枕獏「キマイラ梵天変」より、該当箇所を写経。

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 作中の描写は重視するが、厳密に「文章通り」は不可能。
 読んでいて「絵の浮かぶ文章」というのはあって、夢枕獏の文章はその典型なのだが、イコール「そのまま絵に描ける」では無いことが多い。
 一旦分解して再構築する必要がある。

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 本描きはM40キャンバスにアクリルを想定していて、その前段階の試作に木炭とMBM紙を使用、後程コンテパステルで軽く着色まで視野にいれて進める。

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 先月の「動物のからだ展」会場で最初に描いた一枚と同様、結果は問わずに勢い重視で、一旦思い付きを出し尽くしてみる。

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 鉛筆と木炭は「黒で明暗をつける」という点では同じだが、感覚は全く別。
 鉛筆は「硬い素材を刃物で刻む」感覚、木炭は「柔らかい素材を盛り削りする」感覚だ。
 中高生ではじめて鉛筆から木炭に持ち変えた時、早めに意識を切り替えられると、対応しやすくなる。
 木炭は「パンで消す」イメージがあると思うが、少々油分が付くので、私は普通の消しゴムメインで、練りゴム併用が好みで、「消す」というより「白で描く」感じ。
 先の彫塑の「盛り削り」の例でたとえるなら、消しゴムの白が「盛り」で、木炭の黒が「削り」に相当する。

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 話しのついでに感覚が似ている手法を簡単にまとめてみると、以下のようになる。
【制作中に推敲しやすい】木炭、油彩、塑像
【あまり推敲しない】鉛筆、水彩、彫刻

 全体から細部へと、徐々にスピードダウンしていき、木炭を紙の表面に馴染ませていく。
 時間的に一回では仕上がらないので、間をあける。

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 直接木炭にさわれない日は、出来ることで自主練。
 イメージの補助に、妖怪ミイラの類いの画像をザッとクロッキー。

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 これも余談になるけれども、各地に残っている妖怪ミイラの類には、それを制作する専門業者のようなものがあったらしく、材料調達を考えるとかなり不気味な雰囲気も漂ってくる。
 妖怪コトリとも関連してくるかもしれない。
 模写だけとはいえ美術解剖学をかじって見ると、生物標本としての価値はほとんど感じられない。
 ただ、これを作る専門業者がいたらしいことの不気味、業の深さは、一度手を通して体感しておく。

 制作再開にあたっては、ざっとはたいて一度木炭を落とす。
 ここまでやったことの痕跡は、はたいても残っているので、無駄にはならない。
 違和感を残したまま進めず、何度もやり直せるのが木炭。
 プロポーションの決定までは試行錯誤を繰り返す。

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 制作中は日々の生活の中でも注意すべきことが出てくる。
 洗い物、入浴後の指先ケアは必須になる。
 私にとっての木炭は「主に素手で描き、木炭も使う」という感覚なので、指先ガサガサでは思うように描けないのだ。
 鉛筆画の場合は「ほとんど鉛筆、あとは補助」という感じなので、さほど指先ケアに気を使う必要はない。

 モノクロは前回の鉛筆で堪能したので、今回はコンテパステルで少し色も試してみる。
 着色前に一度軽めにフィキサチフスプレーで木炭を定着。
 木炭の段階で骨格は既に固まっているので、色はアドリブを楽しみながら、じっくり進めていくのが良い。

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 適当に休憩や軽めの定着をはさみながら、じわじわと。

 うむ!
 この絵はここで筆置き!

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posted by 九郎 at 21:21| Comment(0) | 妄想絵画論 | 更新情報をチェックする

2019年03月16日

鉛筆による「ライオン前肢乾燥標本」

 先月開催「動物のからだ展」明日で、素晴らしい資料と出会った。
 一目惚れしたのは「ライオン前肢乾燥標本」。

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 お寺に奉納されていたら「鬼の腕のミイラ」と呼称されそうな、夢枕獏「キマイラ」に出てくる幻獣の腕のミイラのような、禍々しくも風格ある標本だった。
 すっかり惚れ込み、時間を捻出して三度通い、スケッチを重ねた顛末は以前記事にまとめた。

 大阪「動物のからだ展」

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 限られた時間の中でのスケッチだったが、写真等とともに、材料はなんとか蓄積できたと思う。
 俺の「動物のからだ展」は、まだ終わってへん!

 ここから先に進めるには、直接見えない方向からのスケッチも必要。
 会場でのスケッチが困難な角度は、写真から描き起こすしかない。

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 ライオン前肢乾燥標本、手のひら側写真から一枚スケッチ。

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 手に染み込ませたスケッチ記憶が薄れない内に、次へ。

 会場で描いたB3スケッチは、骨格や全体的な動きに注目。
 次に会場で描いたA3スケッチでは、筋組織や腱のつながり方の確認。
 今回再チャレンジするB3スケッチは、これまで理解したことを盛り込み、できる限り紙の上で標本を再現することを目指す。

 まずA3からB3へ拡大コピーし、ものすごくクラシックな方法で、画用紙に転写。
 コピー裏面を濃い目の鉛筆でざっと塗り、転写したい画用紙に固定して表面からなぞる。
 原始的だが、以下のメリットがある。

・コピーできない用紙に写せる
・転写後消しゴムが使える
・なぞることで頭が整理され、描き慣れる。

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 トレスできた後もじわじわ進める。
 これまでのスケッチの蓄積で、同じ写真を見てもわかることがかなり多くなっている。

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 ギターで言えば弦をセットした感じ。
 ここからテンションをかけていく。

 美術解剖学に関心を持ったり、「動物のからだ展」に足を運ぶきっかけになった小田隆先生のご活躍をTwitterで追いながらの制作。
 凄いかたが着実に描いておられるのを見ると、私でも煽られるのだ(笑)
 Twitterやってて良かった!

 意外と雨の多いこの時期、鉛筆画には紙の湿気もわりに影響する。
 直接スケッチにさわれない日や、湿気の多い日はストーブ焚いて乾燥待ちの間、しばらくライオンの骨格や筋肉の確認。
 泥縄式だがこういう「見えない努力」も有効。

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 春の嵐が続く中、雨にも負けず、チャンスをうかがっては鉛筆スケッチを進める。

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 一通り手がついた。
 この後、タッチを強めに出しながら、あちこち「ひっぱる力」や「色気」を加えていく。

 鉛筆画の場合、前半は紙の柔らかさがあった方が進めやすいのでスケッチブックのまま。
 後半詳しく描き込んだり、思い切って塗りつぶして暗さを出したい時は下敷きを使うのが私の作法。

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 鉛筆にも「流派」みたいなのがあって、柔らか目の鉛筆を多用して木炭のようにこすってハーフトーンを出すやり方や、硬めの鉛筆中心でタッチで見せるやり方等、色々だ。
 私が学んだのはどちらかと言うとタッチ派。
 その方がスキャンやコピーで再現されやすいということもある。

 細部にとらわれすぎると全体を見失うので、距離をとったり一呼吸置いたり。
 初期スケッチの直感的理解が参考になることも。
 あと、アナログ絵では「筆置き」のタイミングも重要。
 私は描きすぎてしまう傾向あり。
 デジタルならctrl+zできるのですがw

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 うむ!
 一旦筆置き!
 とても良いスケッチ体験だった!

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 そして実は、この後続けてやりたいこともあるのです(笑)
posted by 九郎 at 12:52| Comment(0) | 妄想絵画論 | 更新情報をチェックする