2018年07月01日

2018年7月の心と身体

 もう7月?
 今年半分終わり!?

 梅雨明け?
 確かにもうセミ鳴いてるけど。

 ……ぼちぼち行きます。

 2年前の鼠経ヘルニア入院騒動以来、ずっと体調は良い。
 持病だった腰痛や胃腸炎も、ほとんど出ていない。
 身体の方は堅調なのだが、理不尽がまかり通る現代ニッポンに、心の平衡を保つのに苦労している。

 こういう時は自分の原点に立ち返り、そこから外れないようにするのが良い。
 私は元弱視児童で、その頃感じた様々な事柄が、生きる上での基本になっている。

 最初の修行1
 最初の修行2
 最初の修行3
 最初の修行4

 中高生の頃は、カルト教団じみた超スパルタ受験校でサバイバルしてきた。

 青春ハルマゲドン

 そしてその後には、阪神淡路大震災のガチサバイバルが待っていた。

 阪神淡路大震災被災記
 以上のような成育歴を持っている私は、権力の肥大やカルト化、棄民の惨状には警戒心が強く働く。
 心の平衡を保つためには、あくまで「弱きを助け、強きをくじく」であろうと努め続けるしかないのだ。

 日々の暮らしに追われる中で、なかなか実践は難しいけれども、志だけは持ち続けたい。
 お地蔵さまとお不動さま、阿弥陀さまは、やはり心の杖となる。

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 BGMは登川誠仁川口真由美THE冠で!
 ジャンルバラバラでも共通項は「反骨」!
posted by 九郎 at 14:47| Comment(0) | 身体との対話 | 更新情報をチェックする

2018年06月30日

極私的80年代旧キット購入の掟

 子供時代、80年代前半のリアルロボットアニメ、プラモブームにちょうど居合わせ、どっぷりハマった。
 その後、私はぼちぼち作品対象年齢から外れ、80年代後半になるとブーム自体が失速したこともあり、プラモ制作からも長らく離れることになった。

 極私的80年代リアルロボットアニメ年表
 リアルロボットアニメの対象年齢

 それでもなんとなく心の底でくすぶっているものはあり、90年代以降も模型誌を開いてみたり、模型店で新製品の動向をチェックすることだけは続けていた。
 ごくまれに、現行MGやHGUCのいくつかを買ってみて、素組みしてみることはあった。
 そのまま組み立てるだけで色分けがほぼ完了しており、ポージングも自在の新製品を眺め、技術革新に感嘆しながらも、どこか空虚なものを感じていた。

 確かに凄い。
 子供の頃、夢に見ていたカッコよくてよく動くプラモが、ついに手に入ってしまった。
 しかし……
 これ、俺だけじゃなく、誰が作ってもこうなんだな……

 結局、私の心が求めているのは「カッコよくて良く動く完成品」ではなかったのだ。
 80年代のあの頃、なかなか思い描くようにはプラモを作り切れなかった。
 小学生時代はお小遣いが限られていたし、工作技術や塗装技術も全くなかった。
 中学生になると技術は多少進歩したものの、思い描く理想には程遠く、また勉強の方も忙しくなって、一つ一つのプラモを完成まで持っていくことが難しくなった。
 心の底でくすぶっていたのは「あの頃のやり残し」であり、欲しかったのは「プラモを納得できるよう完成できる自分」だったのだ。

 時を経て、私は絵描きのハシクレになり、広く浅くではあるけれども様々な工作技術を体験してきた。
 長らくプラモは作ってこなかったが、素組み(+αの小改造)の枠内を守る限り、旧キットを自分なりに納得できるレベルで塗って完成できるようにはなっていたのだ。
 そして、昔のプラモを一つ一つ完成させることで、自分の中の育ち切れなかった半端な自分を、自己治癒できるらしいことに気付いたのが二年ほど前。
 それ以来、仕事や作品制作の合間に、旧キットをぼちぼち作り続けている。

 旧キット、素組み、アクリルガッシュ筆塗り

     *    *    *

 プラモを購入する時、自分なりの「掟」は守ることにしている。
 コレクションではなく、買ったらあくまで作って完成させることを前提とする。
 中古品は「箱つぶれ」でも安いなら全然OK。
 一部パーツ欠けなどのジャンク品でも、無理なく完成させられそうならOK。
 一期一会を大切にし、作るのにプレッシャーを感じるようなプレミア品には手を出さない。
 以上の「掟」を遵守するための、各シリーズの再販や中古相場の大体の目安をまとめておこう。
 

★ガンプラ
 他のどのシリーズよりも全般に再販が望みやすく、基本的に価格も発売当時のまま据え置き。
●ノーマルシリーズ
 MSであれば、とくにコレクションサイズの1/144は、再販頻度が高い。
 それ以外のスケールやMA、支援メカ、戦艦等も、頻度は低いが待っていれば再販は望める。
 ノーマルシリーズのガンプララインナップについては、過去記事で詳しくまとめたことがある。
 ブーム当時のガンプラ
●MSV
 1/144、1/100のMSVは、ノーマルシリーズ同様、再販頻度は高い。
●ゼータ
 それなりに再版されている。
●ダブルゼータ
●センチネル
●逆シャア
 これらのシリーズは、頻度は多少低くなるが、再販は望める。

 ガンダム以外の作品でも、バンダイから出ていたシリーズは、頻度は低いが再販はされている。
★ザブングル
★バイファム
★ダンバイン
★エルガイム
★レイズナー
★ドラグナー
 さすがに価格は当時のままとはいかず、多少の割増になるケースがあるようだ。
 また、金型の管理状況の問題からか、一部再版されないアイテムもある模様。


 問題は「非ガンダム、非バンダイ」の旧キットシリーズだ。
 基本的に再版は望めず、極めて低い頻度で再版されたとしても、価格は大幅に上がるケースが多い。
 当時品を

★イデオン
 初期ガンプラブームと同時発売だったので生産数がかなり多かったらしく、探せば当時品でもさほど高価でなく求めることが可能。
 とくに敵メカは中古価格がかなり安い。
★ダグラム
★マクロス(現在、再販はバンダイから)
★ボトムズ
 これらのシリーズは、当時品または過去の再販品で、価格二倍程度なら買いか。
 三倍以上になると、よほど旧キットに思い入れのある人以外は、素直に内容が飛躍的に改善された現行キットを買う方が良いと思う。
★モスピーダシリーズ
 つい最近再販があった。今がチャンス!


 旧キット制作は、基本的に数百円から千円二千円程度のプラモを、時間をかけてちまちま作り上げ、塗り上げる、安上がりの趣味だ。
 私の場合は中高生の頃からの未完成癖を矯正する、心のリハビリのような気分で取り組んでいる。
 これからも、無理のない範囲でぼちぼち行きます。

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posted by 九郎 at 23:42| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする

2018年06月29日

80年代リアルロボットプラモ ボックスアートの世界

 80年代前半は、リアルロボットアニメの盛り上がりとともに、プラモが質・量ともに爆発的な進化を遂げた時期でもあった。
 商業的な上り調子にあるジャンルには才能も結集するので、この時期のプラモの箱を飾る「ボックスアート」には、多くの傑作が描かれた。
 ブームの口火を切ったガンプラの場合、80〜82年のノーマルシリーズはわりとオーソドックスなアニメプラモの箱絵の範疇にあった。
 ブーム後期発売の1/100リアルタイプシリーズから、アニメの世界から一歩踏み出したリアル志向、ミリタリー趣味の箱絵が現れ始めた。
 シリーズ丸ごとミリタリーモデル的な絵柄が箱を飾るようになったのは、ガンプラブームと同時進行で発売されていた「太陽の牙ダグラム」シリーズからだったと記憶している。
 82年になると、「超時空要塞マクロス」「戦闘メカ・ザブングル」のシリーズも、ミリタリー趣味の箱絵で統一された。
 そしてリアルロボットアニメの制作点数がピークに上り詰める83〜84年には、発売されるプラモの大半がリアルな絵柄で占められるようになった。

 私見では、リアルロボットプラモの箱絵が最も盛り上がっていた時期は82〜83年あたりではないかと思う。
 中でも突出してハイレベルだった三シリーズを、メインイラストレーターとともに書き出してみよう。

●「超時空要塞マクロス」高荷義之
●「ガンダムMSV」石橋謙一
●「聖戦士ダンバイン」開田裕治

 これらのシリーズは、メインイラストレーターだけでなく、もうどの箱絵をとってみてもそれだけで買いたくなるような傑作ぞろいだった。
 高荷義之は挿絵やミリタリーモデルの箱絵、石橋謙一は航空機模型の箱絵、そして開田裕治はSFや怪獣イラストなどの得意分野を持っており、それぞれの持ち味を生かした作風でロボットプラモの新境地に挑んでいた。

 マクロスやMSVの場合、中身も先行するガンプラより技術的な進化が見えて満足度が高かった。
 私の独断で両シリーズの箱絵の傑作を上げるとすれば、以下のもの。


●1/5000マクロス強攻型
●1/144 MS-06R ザクU

 ちょっと残念だったのがダンバインのシリーズで、箱絵の華麗でファンタジックな世界観に、中身のプラモが追い付けていなかった。
 今あらためて組んでみると、異世界メカの先例のない立体物としてはかなり頑張っているのが分かる。
 二重関節の多用で当時のプラモとしては可動範囲が広いし、三本爪で支える足首は見た目以上に安定感がある。
 極上の箱絵との落差で損をしてしまっている印象だ。
 どの絵も素晴らしいのだが、後半主役メカ・ビルバインの1/48のボックスアートは、往年のプラモ少年の記憶の中に「超傑作」として刻み込まれているはずだ。


●1/48 ビルバイン

 同じ開田イラストでは、ロボットプラモではないが同時期の怪獣プラモシリーズ「The特撮Collection」が素晴らしかった。


●1/350ImageScale メカゴジラ The特撮Collection 


 MSVとダンバインの両シリーズは初めからバンダイのプラモなので、待っていれば今でも再販は望める。
 とくにMSVシリーズは再販頻度も高い。
 ダンバインの方は金型の管理状況の問題か、一部再版されないアイテムもあるようだ。
 それにしても発売から三十年以上経った今、メインイラストレーターの石橋謙一、開田裕治の画集を求めなくても、現役プラモのボックスアートとして楽しみ、作る時の参考にすることができるのは、素晴らしいことだ。

 マクロスシリーズの高荷義之の箱絵は少し事情が異なり、箱絵まで当時そのままのプラモの再販はほとんど望めない。
 あの迫力のある箱絵のシリーズが現役プラモではないのは、なんとももったいないことだ。
 私の手元には、マクロスシリーズの箱絵を始め、当時の高荷イラストの多くが収録された以下の画集がある。


●「ロマンアルバム別冊 高荷義之アニメ・イラスト集」
 マクロス、ダンバイン、ガンダム、ザブングルに関する大量のカラーイラストを収録し、インタビューや対談も充実した夢のような一冊。
 多分現在入手困難だと思うが、私は一年ほど前、近所の中古屋の100均ワゴンセールで発見。
 一瞬目を疑ったが、プロボクサーのジャブ並みのスピードで確保した(笑)

 高荷義之画集の類で今求めやすいのは以下のものか。


 

 高荷、石橋、開田の御三方は、私にとってはボックスアート界不動の「ビッグスリー」だ。
 筆使いを活かした絵柄は、CG全盛の今、あらためて凄みを感じる。
 大河原邦男を含め、当時から私は筆跡で魅せる絵柄が好きで、その延長線上で生ョ範義ファンになったところがある。

 80年代前半、こんな豪華で贅沢な箱絵のプラモの数々が、切れ目なく発売される時代にリアルタイムで居合わせて、本当に幸運だったと思う。

 当時を回顧しながら、旧キットを80年代風味で塗った作例は、以下に。

 プラモ・フィギュア作例まとめ

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posted by 九郎 at 21:52| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする

2018年06月24日

ガンプラ旧キット制作参考資料

 80年代ガンプラ旧キットを制作する時の参考資料として、やはり当時の作例やイラスト、設定資料の類の載っている書籍が欲しくなる。
 手持ちの資料の中から、いくつか今でも比較的入手し易いものを紹介してみよう。

 何はともあれまず再見したいのは、ブーム当時描かれた御大・大河原邦男のイラストだ。
 あの頃活躍していたモデラーの皆さんから、広大な裾野たるプラモ少年まで、みんな参考にしていた「根本資料」と呼べるのが、大河原イラストではないだろうか。
 ブーム初期、ガンプラを塗る時の参考になるのは、まずはプラモの箱絵や組立解説書の色指定だったが、それだけではオモチャ然とした旧来のロボットにしかならなかった。
 当時「リアル」を志向するガンダムイラストを描けるのは、メカニックデザイナーである大河原邦男しかいなかったのだ。

 ポスターカラーで筆タッチを活かした骨太な絵柄。
 激しいウエザリング。
 精密なマーキング。
 ミリタリー感覚溢れるリアルタイプカラーなどなど。

 多くのガンプラファンに「こんな風にプラモを作りたい!」と思わせる、素晴らしいイラストだったと思う。
 大河原御大の画集はいくつも出ているが、ガンダム関連でもう一度見たいイラストが、ほとんど収録されているのが、以下の一冊。


●「大河原邦男画集―Gundam art works」(ムービック)
 ファーストガンダムだけでなく、ゼータからF91あたりまでのイラストや、近年制作された新作も多数収録されている。
 思い出補正もあろうけれども、やはり圧倒的に昔のイラストが良い。
 あの「ラストシューティング」を含む劇場版のポスターや、初期MSVの設定画、ソノラマ文庫小説版の表紙絵なども、もちろん収録。
 あと一枚、確かボンボンに載っていた「歴戦を経たガンダムマークU」のイラストが収録されていれば、私の中では100点満点だったのだが、おしい!

 そしてブーム初期、大河原イラストにインスパイアされた作例が次々に発表されたのが「月刊ホビージャパン」であり、その伝説の総集編が、以下のものだった。


●「HOW TO BUILD GUNDAM1、2」

 現在は復刻版や電子書籍版も刊行されており、入手は極めて容易。
 おっさんになった今読み返すと、子供の頃仰ぎ見るだけだった記事中の改造が、「けっこうできる」ようになっているのがわかってちょっと感動する。

 82年、ブームがそろそろ後半に入ると、ガンプラ記事の「熱」は、模型専門誌から児童マンガ月刊誌「コミックボンボン」へと移行した。
 当時活躍していたモデラー集団ストリームベースの面々の作例、製品情報、そして史上初のガンプラマンガである「プラモ狂四郎」連載で、ボンボンは一気にガンプラ雑誌と化した。
 相互の記事が互いにリンクし、うねるように加速していく当時の熱狂は、リアルタイムで雑誌を読んでいないと中々理解しがたいのではないかと思う。
 強いて挙げればマンガ「プラモ狂四郎」のストーリー展開が、あの頃の雰囲気を一番伝えているかもしれない。
 序盤の小改造からパーフェクトガンダム完成に至るまでの盛り上がりは、今見ても色あせない。


●「プラモ狂四郎」やまと虹一(講談社)

 ボンボン掲載の作例や設定資料、関連記事は、文庫サイズ三冊にまとめられており、復刻もされているので入手は比較的容易だ。


●「<復刻版>機動戦士ガンダムモビルスーツバリエーション1〜3」

 ボンボンと共にガンプラファンによく読まれていたのが、プラモ屋店頭で販売されていたバンダイ刊行の「模型情報」で、小冊子ながら毎月充実の内容だった。
 MSVについては別冊ハンドブックとして刊行され、こちらも近年復刻されている。


●「模型情報・別冊MSバリエーション ハンドブック 復刻版」

 もう一冊挙げるなら、ブーム後半のボンボン作例を集成した以下の一冊だ。

●「コミックボンボン別冊 スーパーモデリング」
 小田雅弘によるジョニー・ライデンの06R-2ザクが表紙を飾る。
 ジョニー・ライデン機にドムのバズーカを持たせたのはおそらくこの作例が最初だったはずで、そのあまりのカッコ良さに定番設定化していった。
 80年代を風靡した小田雅弘ザク作例の到達点である。
 こちらは復刻されていないので入手困難だが、一部作例写真は小サイズながら、以下の一冊にも収録されている。


●「ガンプラ・ジェネレーション」五十嵐浩司・編(講談社)
 ガンプラに十周年を記念して刊行されたもの。
 ファーストガンダムからMSVを中心に、90年代末までのガンプラの歴史を回顧している。
 今となっては幻の「MSX」シリーズのカラー設定も収録。

 制作中のBGMには、以下の音源がおススメ。


●ベスト・オブ・ガンダム
 ファーストガンダムのTV版、劇場版の主題歌、挿入歌がとりあえず一通り全部収録。
 曲間に劇中セリフが入っているのも良いが、一部別の声優さんが無理やりつないでいるような?
●機動戦士ガンダム ― オリジナル・サウンドトラック
 ファーストガンダム劇中音楽で聴きたいものは、とりあえず一通り収録。

 80年代前半のガンプラブーム全般の「通史」としては、これまでにも度々紹介してきた以下の一冊が挙げられる。


●「MSVジェネレーション ぼくたちのぼくたちによるぼくたちのための『ガンプラ革命』」あさのまさひこ(太田出版)

 当ブログでガンプラ旧キット作例は以下に。

 プラモ・フィギュア作例まとめ

 これまでの作例の中で、大河原邦男タッチで割と気に入っているのは、ガンダムシャア専用ズゴック

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 まだまだ粗いので、精進します!
posted by 九郎 at 10:42| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする

2018年06月23日

登川誠仁/照屋林助「ハウリング・ウルフ」

 本日6月23日は沖縄慰霊の日。
 沖縄では公休日で、ヤマトの方でも報道で大きく扱われるようになった。
 ヤマトの人間ではあるけれども、沖縄好きで思い入れのある一人として、何か記事を書いてみたいと思った。
 当ブログでは開設最初期からカテゴリを設け、ごく狭い範囲ながら私が見聞きした沖縄について語ってきた。

 カテゴリ「沖縄」

 90年代、バイト先で一人の師匠と出会い、沖縄のあれこれを教わった日々が、下敷きになっている。

 師匠Nさんのこと

 三年前にその師匠が亡くなってから、私はしばらく離れていた沖縄音楽のCDを引っぱり出して聴き返しながら、泡盛のロックをまた飲むようになった。
 何枚かのCDの中で一番好きなのが、この作品。


●「ハウリング・ウルフ」登川誠仁 (オーマガトキ)


Disc1
1、軍歌たべたいなあ(露営の歌/沖縄俗謡)
2、MC:なんでも食べたいな
3、戦後の嘆き
4、MC:忘れられない歌”
5、石川かぞえ歌
6、MC:米軍キャンプのピィーウィ
7、ペストパーキンママ
8、 MC:歌を習い言葉を知らず
9、新デンサ節
10、MC:作者の心をわかってほしい
11、とぅんばるなーくんにー
(富原宮古の根/沖縄本島北部民謡)
12、MC:大和口は出来ないけれど
13、緑の沖縄

Disc2
1、MC:早口言葉はおまかせ誠小
2、なりたい節
3、MC:「辻」の歌は肝どんどん
4、誠小の六調節
5、MC:耳泥棒と工工四
6、ヒヤミカチ節
7、MC:入れ歯は歌を上達させる??
8、あさどーや ゆんた(安里屋ユンタ)
9、アッチャメー小(沖縄民謡)

 一応、登川誠仁名義になっているが、実質は照屋林助との共作アルバムである。
 沖縄芸能の二大巨頭が、かけあい漫才のようなMCの合間に、厳選された唄を紹介する構成。
 極上のトークライブ、ディープな深夜ラジオのような趣向が素晴らし過ぎる!
 私はウチナーグチがほとんどわからないのだが、繰り返し聴き返すうちにじわじわMC内容が理解できてきた。
 芸の伝承と共に、それを今現在の生きた芸能として再生し続けることについて、抱腹絶倒のやりとりの中に、さらりと語られている。
 どのMCも良いのだが、中でもDisc2-05「耳泥棒と工工四」が凄い。
 誠小とてるりんの「巻物争奪戦」とも言える丁々発止の駆け引き、音と唄の盗み合いが語られている。

 収録曲の方も、いずれ劣らぬ粒ぞろい。
 もちろん沖縄民謡がメインだが、もっと広く融通無碍に引用、パロディ、リスペクトの世界が繰り広げられている。
 しみじみと「ああ、芸能ってこういうことなんだなあ」と味わえる選曲だ。
 あえて紹介するなら以下の曲を推したい。

●軍歌たべたいなあ(Disc1-01)
 Disc1一発目がこの曲というのが凄い!
 有名な「勝ってくるぞと勇ましく〜」の軍歌を改変し、徹底的に茶化し、兵隊を虫けらのように使いつぶす戦争を笑い殺す歌詞である。
 怒りを込めた生真面目な唄よりも、ときに「笑い」の方が深く怒りを表現し、強くプロテストすることがあるのだ。

●ペストパーキンママ(Disc1-07)
 戦後、米軍で働いていた登川誠仁が基地内で演奏されていたPistol Packin’Mamaを耳コピで憶え、三線弾き語りで歌った曲。
 出鱈目にもほどがあるインチキ英語ながら、神業のような三線テクニックで米兵を逆に熱狂させたという。
 由来も含めこの曲もまた、戦争を笑い殺す名演奏である。

 慰霊の日に泡盛をロックで飲みながら、このアルバムを聴き返す。
 ああ、またいつか沖縄の民謡酒場に行けるといいなあ。
posted by 九郎 at 23:20| Comment(0) | 沖縄 | 更新情報をチェックする