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■高砂市周辺
JR加古川駅から川を渡って姫路市に至るまでに、旧山陽道は高砂市域に入る。
風土記においては加古川東岸を「賀古郡」、西岸を「印南郡」として、様々な地名エピソードが紹介されている。
東の日岡山、西の升田山の間を通過した加古川は、下流域の地形を古代から変遷させてきた。
西岸では今の法華山谷川筋あたりが加古川本流になったこともあるらしく、尉と姥で有名な高砂神社のあるあたりは、広い三角州の地形だったのだろう。
この三角州は風土記の「南毘都麻(なびつま)の島」に見立てられている。
●八十の岩橋
日岡陵のある日岡山から加古川を挟んだ対岸の升田山は、風土記に「八十の岩橋」として記述がある。
山頂部に天然の「石段」のようなものがあり、往古には天まで届いていて、多くの天人が行き来していたという。
実は私は幼少期、升田山のほど近くで過ごしていた。大人になってから通りかかった時、小さなサインに気付いて登ってみたことがある。
標高は100mほどしかないが、「高さ」とは相対的なものだ。
周りがまっ平らな平野であれば、ぐるりと播磨を見晴らせる「天の橋」に十分なりえる。
岩橋のあたりからは今でも、東に加古川、南に播磨灘、北にダム湖の平荘湖を望み、天人の視点を体験することができる。

●高御座山
この地域の山はほとんど全部が「岩山」だ。
中でも「播磨富士」と称される高御位山は、山頂に峩々たる磐座がそびえ、素晴らしい眺望が楽しめることで知られる。

こちらも標高は300m程度だが、西へとアップダウンの激しい連山が続き、「播磨アルプス」と称される。
縦走するとそれなりにハードで、連山に囲まれた麓には鹿嶋神社がある。
高御位山頂の磐座から南を見晴らすと、播磨灘にぽっかり浮かぶ小島が気になってくる。
家島諸島の東端にあたる上島だ。
こちらは風土記「揖保郡」に「神嶋」として比較的長い記述がある。それによると、この島の西には仏像のような「石神」があり、顔には五色の玉、胸には流れる涙があるという。
さらに(少し怖い)エピソードは続くが、詳しくはいずれまた。
(続く)





