2019年01月02日

2019年、新年のご挨拶

 縁日草子、14年目に突入です。
 ここ数年はサブカルチャーを中心に語っておりますが、「神仏与太話」の本旨を忘れたわけではありません。
 神は細部に宿り、神話の原型はサブカルチャーに宿る。
 あらゆる神仏はサブカルチャーの中で伝播し、習合する。

 2017年からの当ブログは、そのような視点に立っております。

 それでは今年も一年、よろしくお願いいたします!

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posted by 九郎 at 21:48| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2018年12月30日

2018年の縁日草子

 昨年2017年は、ほぼ一年かけて「90年代のおとしまえ」をつけようと記事を書き続け、ある程度達成できました。

 カテゴリ:90年代

【マンガ】
 今年はいくつかのマンガ作品を、竹熊健太郎さんの投稿マヴォに投稿。
 年内に完成しなかった作品、ネーム止まりの作品もいくつかストックされてますので、マンガ制作はこの調子でぼちぼち続けていきたいです。

啓発マンガ「脱腸騒動記」
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夏目漱石「夢十夜」第一夜より、「まちあわせ」
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幼児向け絵本マンガ「さぼてんさん」
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【訃報】
 今年も多くの著名な方々の訃報がありました。
 個人的に感慨深かったのが、石牟礼道子さんの死でした。
 しゅうりりえんえん

 もう一人、幼い頃から読み続け、大人になってから再会した絵本作家かこさとしさん。
 絵本の哲人 加古里子

【サブカル語り】
 昨年に引き続き、サブカル語りは快調に進みました。

サブカルカイザー 永井豪
 2017年10月にデビュー50周年を迎えたマンガ家・永井豪。
 私が最も敬愛するマンガ家にして、戦後ニッポンサブカルチャーの「帝王」について語り尽す。
分岐点1983(80年代リアルロボットブーム覚書)
 今年刊行の、あさのまさひこ「MSVジェネレーション」書評を軸に、80年代前半のリアルロボットブームについて再考。
「抜け忍」サブカルチャー
 私が幼い頃から好んでいたサブカルチャー作品の定型、「抜け忍モノ」についての覚書。
 カムイ伝、仮面ライダー、デビルマン、バオー来訪者、デスハンター/死霊狩り、ブレードランナー、ダークナイト三部作、ムジナ、覚悟のススメ、等々ジャンル横断で語り尽す。

【世相】
 今年は90年代半ばに勃発したカルト教団によるテロ事件で、死刑が次々と執行された年でもありました。
 長く当ブログをお読みいただいている皆さんにはお分かりいただけるかと思いますが、私にとって、それはやはり衝撃でした。

 心が凍りつく

【絵画】
 アクリル絵画で一枚、納得いくものが描けたのは良かったです。
「のきした」
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 がっちりした作品化できたのは上掲一枚だけでしたが、折々のスケッチで地力を養うのに充実した一年でした。

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 ガジュマルスケッチ
 2018秋の散策その1
 2018秋の散策その2
 2018秋の散策その3
 小田隆「うつくしい美術解剖図」

【造形物】
 数年前に一度挑戦した「全国妖怪造形コンテスト」に再チャレンジ。
 結果は前回と同じく、最終選考に進むも入賞ならず!
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 怪人コトリ #全国妖怪造形コンテスト 前編
 怪人コトリ #全国妖怪造形コンテスト 後編

 プラモデルもそれなりに完成し、色々素材、造形技法についての学びがありました。

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【Twitter発の記事】
 今年4月からTwitterを開始。
 徐々にペースがつかめ、気になるニュースや思い付きのメモ代わりに使っているうちに、連続した文章が出来上がってブログ記事化できたものが多くありました。
 自然に出てきた言葉の連なりなので、どれも気に入った記事になっています。
 今年の収穫ですね。

 天変地異には大仏を?
 上手(かみて)と下手(しもて)
 川奈まり子「実話奇譚 奈落」
 年を忘れつ師を想う
 #富野由悠季監督生誕祭
 ジオン系MS「モノアイレール」についての覚書
 小田雅弘「ガンダムデイズ」

 Twitterでは他にもたくさんの出会いや交流があり、なんだかんだ言いながら楽しい一年でした!

 年内の記事投稿はこれが最後になると思います。
 皆様、よいお年を!
posted by 九郎 at 09:03| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2018年12月29日

書籍版「サルまん3.0」!?

 年末になるとその年読んだ本を振り返ることが多くなる。
 何をどれだけ読んだか忘れてしまうほどたくさん読む年もあれば、振り返ってみると数えるほどしか読んでない年もある。
 今年は冊数こそ少ないが、印象深い本ばかり手に取ってきた印象。
 4月に刊行された以下の本は、これまでに何度か読み返してきた。


●「フリーランス、40歳の壁 自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?」竹熊健太郎(ダイヤモンド社)

 著者・竹熊健太郎の作品は、90年代初頭に「サルでも描けるまんが教室」を読んで以来、ついたり離れたりしながら追っている。
 この「サルまん」と続編については、以前記事にしたことがある。

 野望は死なず

 90年代(とくに半ば以降)、私自身が阪神淡路大震災に被災したりその他諸々の事情で、フィクションを楽しむ余裕がなかなか持てなかった。
 そんな中「再会」した竹熊健太郎の本が、以下の一冊だった。


●「私とハルマゲドン」竹熊健太郎(ちくま文庫)
 狂乱の90年代を潜り抜けた著者が90年代半ばのカルト教団によるテロ事件を題材に、語りつくした一冊。
 カルト信者と同世代があの事件を語ろうとすると、どうしても「自分語り」になってしまうという感覚。
 それはあの頃20代から30代で、サブカル界隈に生息していた人間だと、かなりの割合で「わかる」感覚なのではないかと思う。
 直接の知り合いとまで行かなくとも「知り合いの知り合い」くらいの距離感の出家信者がいた人は多数にのぼるだろう。
「自分と出家信者の間の違いってなんだ?」「自分があちら側に行かなかったのは単なる幸運ではないか?」
 自分の歩いてきた道を振り返り、その分岐点を確認したくなる衝動にかられる。
 私もそうだった。

 青春ハルマゲドン(後半)

 20代から30歳前後の「壁」というのは、人によっては「心のハルマゲドン」みたいに機能するのではないだろうか。
 以前、マンガの例を引きながら、作者が30歳前後のタイミングで「私(わたくし)ハルマゲドン」的な作品が生み出されることについて、考えてみたことがある。

 青年はサブカルチャーに一度死ぬ

 竹熊健太郎(そしてコンビの相原コージ)の場合、「サルまん」が「私ハルマゲドン」にあたっていたのではないかとも思う。

 作品の中で、そして自分の中でハルマゲドンが起こってしまった時、作者はそこで燃え尽きてしまったり、最悪命に関わることもある。
 生き残った場合も、荒涼とした破滅後の世界を、自分で一から開墾していくようなサバイバル生活が始まるのだ。
 それがうまく作品に反映されれば良いけれども、ピークの後はどうやっても悩み苦しむことの方が多い。
 竹熊健太郎のケースでは、「サルまん」完結が91年、件のテロ事件を受けた「私とハルマゲドン」の初出が95年。
 同時期の著者は、自分の原点を再確認するようなインタビューを重ねており、それをまとめた一冊も、私の大好きな本だ。


●「篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝」(河出文庫)

 今年刊行の「フリーランス、40代の壁」は、サブカル界隈で独自の活動を展開する人々への取材が一方の軸としてあり、そしてもう一方の軸として2000年以降、著者が40代に入ってからの自伝的な内容がある。
 それはまさに「七転八倒、七転び八起き」というに相応しく、差し引きでマイナスの方がはるかに多い中でもがく内容なのだが、なぜか「軽み」と「笑い」の絶えない筆致になってしまうのが、竹熊健太郎の持ち味なのだろう。
 2000年代半ばのブログ「たけくまメモ」開設以降の内容は、今回の本以前にリアルタイムの動向としてネット上で追っていた。
 実態はかなり深刻でドロドロしていたはずのアレコレも、これまでの竹熊作品と同じノリで読めるように料理されており、こういうのが「人徳」というのだろう。

 以前ネット上で竹熊健太郎は、自身の運営するWebマガジン「電脳マヴォ」を、「これは実質『サルまん3.0』である」と解説していたことがあったと思う。
 ならばさしずめ今年の新刊は、ネット上に散らばった膨大なピースを一冊の本に編み上げた「書籍版サルまん3.0」ではないだろうか。
 最初の「サルまん」から30年、作中の「竹熊」はじわじわとリアル竹熊健太郎とフュージョンし、今完全に一体となって怒涛の人生を刻み続けているのかもしれない。

 この現世は「サルまん」か?
 今後も著者の動向から目が離せないのである。

 Twitterアカウント:竹熊健太郎
 Webマガジン:電脳マヴォ投稿マヴォ
posted by 九郎 at 16:40| Comment(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

2018年12月28日

さらば愛用のソロテント

 年賀状ミッションをなんとかクリアーし、片づけていたら、昔描いたハガキイラストが出てきた。

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 たぶん90年代にテント泊した時にスケッチしたもの。
 おぼろげな記憶では、当時よく出かけていた熊野遍路ではなく、もっと近場に単発で泊まった時のものだと思う。
 初代のテントを紛失し、二代目のテントを買って試しに一泊という感じだったのではないだろうか。

 ロゴスのソロテントで愛用してたけど、加水分解で劣化。
 今年久々に日よけとして使ってみたら、表面がベタベタしてしまっていたので、やむなく処分。

 写真も残っているが、スケッチを描いておいて本当に良かった。
 長らくお世話になりました!
posted by 九郎 at 22:42| Comment(0) | 遍路・防災・アウトドア | 更新情報をチェックする

2018年12月26日

小田雅弘「ガンダムデイズ」

 今年10月、私たちガンプラブーム世代のかつての「神」小田雅弘の「ガンダムデイズ」が刊行された。


●「ガンダムデイズ 」小田雅弘(トイズプレス)

 読んでいるとあの頃の記憶が次々によみがえってきたので、覚書として書き留めておきたいと思う。

 80年代初頭、大学生だった小田雅弘はじめとするモデラー集団「ストリームベース」は、当時のプラモ少年にとって、ガンプラブームを牽引するカリスマ集団だった。
 私たち小学生の間でも「ストリームベースの小田さん」と言えば、「世界一ザクを作るのが上手い人」だったのだ。
 とくにキットの胴体肩部分を「ハの字」にカットし、下から見上げた形にパースをつける加工法は衝撃で、日本中のガンプラファンが真似したのではないかと思う。
 同じ頃の私はと言えば本当に子供だったので、ガンプラ制作と言っても成型色以外をはみ出さずに塗ることで精いっぱい。
 ザクの肩のハの字切りは、果たせぬ夢だった。
 それからはるかに時は流れ、数年前にガンプラ復帰してから早々にハの字切りリベンジは果たした!

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 夢を果たしてみれば、土偶だなんだと言われる旧キットの、なんと愛しいことか。
 今風のカッコよさとは全然違うけど、意外と大河原設定画に忠実だし、足首無可動でもつま先形状のおかげで「一歩踏み出し」が決まるのだ!

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 小田さんと言えばなんと言ってもザクなのだが、それに匹敵する衝撃だったのが「HOW TO BUILD GUNDAM2」のジオング。
 今回の「ガンダムデイズ」によると、あのダークでメカニックな作例は、実はかなり突貫工事で、天井に張り付けた設定画を就寝前に夜ごと眺めながら制作されたとのこと。
 去年私が旧キットのジオング作った時も、やっぱり小田さんの伝説の作例が頭にあった。
 技術的に難しいことはできないのでとりあえず素組してみると、形状自体は全然悪くなかった。
 今でもジオングの改造素体としては安くて良いものではないかと思う。
 せめて塗りは頑張ろうと思い、小田さんのダークな色遣いや、大河原御大のポスターカラーイラストの筆遣いを参考に塗った。
 金属シャフトで可動が限られてるけど、見る角度によっては十分カッコよく、自己満足にふけることができた。

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 本を読んでいてちょっと衝撃だったのが、MSV第一弾の旧キット1/144 06Rのこと。
 最初期ガンプラで、子供心に色々不満があった旧キットのノーマルザクに比べ、小田さんの作例を模したと思しき06R は、箱絵も含めて本当にカッコよく見えて熱狂した。
 私たちガンプラ少年は、「これ、小田さんのザクや!」と感動したものだったが、ご本人はあのキットも箱絵も不本意で、結局一度も作らなかったそうだ。
 小田さんの「ザク愛」を、逆に強く感じるエピソードであった。

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 MSVシリーズで第二次ガンプラブームになり、小田さんご自身はジオン系にしか関心がなかったようだが、当時のメイン顧客はやはり小学生。
 膨大な数の小学生ファンのもたらす売り上げが、年齢層の高いジオン好きのマニア層の趣味を買い支えるという構図が既にあった。
 そして当時の私を含む小学生は、なんだかんだ言ってやっぱりガンダムを欲しがった。
 そこで「プラモ狂四郎」のパーフェクトガンダムと、小田さん、大河原御大の合作で出来たのが、MSVシリーズの「主役機」フルアーマーガンダムである。

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 年長ファンのザク愛と年少ファンのガンダム愛、その両輪が生んだあの奇跡については、今年先行して刊行された「MSVジェネレーション」(あさのまさひこ)関連記事で存分に語ったことがある。

 分岐点1983 その4


●「MSVジェネレーション ぼくたちのぼくたちによるぼくたちのための『ガンプラ革命』」あさのまさひこ(太田出版)

 今年はあれから35年のメモリアル。
 当時を振り返る書籍がいくつも刊行される年になった。

●「MSV THE FIRST」 (双葉社MOOK)
 83〜84年当時のMSVやMSXにまつわる設定画やパッケージアートを、大きいサイズのカラーでほぼ網羅してある。
 印刷物からのスキャンデータらしく、色味の精度はやや低いが、これだけの図版が一冊で揃うのは貴重。
 当時の関連年表や、関係者へのインタビューも豊富。

●「GUNDAM CENTURY RENEWAL VERSION―宇宙翔ける戦士達」(樹想社)
 ガンダム世界のSF考証の原点となった伝説の特集本。
 2000年に一度復刻されるも、長らく古書価格が高騰し、入手困難だった。
 しかしつい先ごろ樹想社の通販で、定価の半額の2000円+送料で通販が開始。
 何らかの事情あってのことかもしれないが、ここは「買って応援」の場面ではないだろうか。


 今年はtwitterで多くの凄腕モデラーの皆さんとも出会い、サブカルチャーについて様々に考えることのできた一年になった。
posted by 九郎 at 18:16| Comment(2) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする