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●『世界の神話』沖田瑞穂(岩波ジュニア新書)
世界の神話体系をまんべんなく一周できる、コンパクトにまとまった一冊。
インド、メソポタミア、パレスチナ、エジプト、ギリシア、ケルト、北欧、中国など、比較的知名度が高い神話に加え、アフリカ、インドネシア、オセアニア、中南米、北米、付録として日本神話も紹介してある。
各国各地域の神話体系の中には、普遍宗教に至る一段階前、都市に人が集まり、それぞれの神を持ち寄ってガチャガチャやり合い、ヒエラルキーや関係性が鍛え上げられたものがいくつかある。
部族の神話から「歴史」につながる寸前のそんな知名度の高い神話体系の中でも、インド、パレスチナ、中国神話からは、仏教、キリスト教、イスラム教、儒教などの普遍宗教が生み出され、統一に向かう世界史の流れの原動力となった。
神話は神話として純粋に面白いだけではなく、「歴史」の起点、起爆剤でもあり、実際に影響を及ぼしているので、世界史読書を進めるどこかの段階で一度触っておくと理解が深まるのだ。
そして現実世界の歴史に対する影響だけでなく、広く一般大衆に消費されるサブカルチャーの「元ネタ」としての影響も見逃せない。
創作界隈の皆さんも孫引きひ孫引きのイメージだけでなく、原典へとつながる手引きとして、手にとる価値がある一冊だと思う。
世界の神話の世界について、この本は絶好の入門書になるだけでなく、読書を進める上でのインデックスにもなる。
続編の『世界の神話 躍動する女神たち』も楽しめそうだ。
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